プロテインで筋肉はつかない

日本ではプロテインが筋肉を増やす薬みたいなイメージで流通している。
だからどこぞの医者が「プロテインを飲んでも筋肉は増えない」って言う気持ちはわかる。
例えばビタミンとかでも、不足すると欠乏症になり、補うことでその病気は治る。
だからって、その病気じゃない人がビタミンを補っても別に健康になるわけじゃない。
ビタミンのサプリメントは不足している人を健康にするが、不足してない人には何ももたらさない。
タンパク質だって、不足してる人が補うべき物であり、過剰にとっても筋肉にはならない。
そもそも筋肉を増やすには、筋肉を増やさなければ対応できないほどのキツい運動が必要だ。
筋肉を増やさなくても対応できるような軽い運動や、持久力がキツい長時間運動ではあまり増えない。
より強い力を使うことが筋肉を増やすわけで、プロテインが筋肉を増やすわけではない。
だが、より強い力を必要とする運動を行うと、個人的な体感ではおそらくタンパク質が不足するようだ。
ビタミン不足の時にビタミンを補うように、わざとタンパク質を不足させてプロテインで補う。
本当に個人的な経験上の答えではあるが、力が入らなくなるまで筋トレして栄養補給するのがベスト。
その補給すべき栄養が本当にプロテインなのかどうかまでは確証がない。
力仕事をしたあとはラーメンがうまいので、もしかしたら必要なのは醤油かも知れないが。
とにかく日本人はアホだから、何か食ったり飲んだりすれば何かに効くという話が大好きだ。
目と言えばブルーベリーだとか、肌と言えばコラーゲンだとか、筋肉と言えばプロテインだとか言う。
そう言う人向けの発信としては、プロテインを飲んでも意味ないよってのは正しい情報と言える。
そう言う人に限って過剰に飲んでるから、その害についても注意喚起するのはわかる。

また、体にはタンパク質が必要ではあるが、一気に急激に摂取しても無駄になるだけだ。
日本でプロテインという名で売られている物のほとんどは、吸収に特化したホエイプロテインだ。
こんな物飲んだって、普通の人にとってはアミノ酸の血中濃度を急激に上げて下げておしまい。
そんなに急激に補給しなくても、不足しない程度の濃度を一日中維持することの方が有効だ。
だから西川貴教は一日6回ゆで卵を食うんだろ。
動物性でも植物性でもなんでも、プロテイン以外でタンパク質を一気に急激に摂取する方法はない。
だからプロテインだけが、唯一タンパク質を無駄にする方法ではあるわけだ。
食事から摂取するタンパク質を肯定し、プロテインを否定する人がいるのもよくわかる。
一気に急激に摂取することに特化されたホエイプロテインは、汎用のタンパク源にはならない。
がっつりトレーニングして、筋肉が弱り切ってる状態でなら、即吸収されるプロテインが必要だろう。
でもたとえプロテインが体に吸収されても、それが筋肉合成に使われるとは限らないわけだ。
消化して血流に乗せるまでと、血液から細胞に取り込むまでと、細胞内で合成するまでがある。
ホエイのプロテインを飲むのなら、短時間にその全ての条件を整える戦略が必要になるわけだ。
本当は扱いにくい特殊なプロテインなのに、簡単にタンパク質を摂取出来るかのように売られる。
いや摂取は出来るんだけど違うっつーの。
だったら一般の人には、プロテイン以外でタンパク質を摂取する方がよっぽどオススメするよね。

あたしが長年好んで飲み続けたBSNシンサ6は、様々なプロテインを混ぜた混合物だ。
筋肉のために6回食事するほどの熱意がなく、タイムリリースでタンパク質を補給したかった。
もう値上がりしすぎて買うのやめるけど。
そして最近は朝のごく短時間にホルモンバランスから全て整えてホエイを飲むようになった。
トレーニングで欠乏させ、糖分補給でインスリンも出し、経口ステの最大濃度も合わせてる。
自分がこだわりすぎて、こだわらずにホエイを飲んでる人を否定したくはなる。
自分は意味があってやってるけど、よその人は無駄だもんね、ってマウントしたくなる。
それもこれも全て、プロテインを筋肉の薬みたいなイメージで売ってるいびつな社会構造のせい。
マジで、袋に筋肉が描かれたプロテインは恥ずかしいからやめて欲しい。
プロテインはエロ本みたいな恥ずかしい物なので、せめてエロくないカバーを付けて欲しい。
人に見られても恥ずかしくない、出来ればプロテインだとすらわからないデザインにして欲しい。

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