ホエイ牛乳割り
筋トレ直後の最も栄養を必要とするタイミングで、血中のアミノ酸濃度を急速に高めるために、
吸収が速いホエイプロテインは便利だが、血中濃度はすぐに下がってしまうため、
夜中でも起きて一日何回も飲まなきゃいけない点は不便だと言う事になっている。
その欠点を補うために、ホエイを牛乳で割って吸収を遅くして飲めば良いとも言われている。
そうすることで、牛乳に含まれるカゼインが胃酸で固まるんだという説明がなされるけれども、
この説明は、カゼインもタンパク質であることから、二種類の解釈が出来る事に気がついた。
一つは、カゼインがホエイを巻き込んで固まり、ホエイの即効性を阻害するという一般的な話で、
もう一つは、カゼインはカゼインだけで固まり、ホエイはさっさと吸収され、
カゼインは遅れて吸収されるという一般的でない話。
どうしてこんな解釈をしたかというと、一般に言われてる話ってそんなに信憑性があるわけじゃなく、
ひょっとしてホエイを牛乳で割る理由が、ホエイの吸収を遅らせるためじゃなく、
吸収の遅いカゼインも一緒に摂ればホエイの弱点を補えるという発想が発端かもしれないと思ったから。
そしてそう思わせた原因は、現にホエイとカゼインをミックスした混合プロテインが多数存在することだ。
シンサ6でもマトリックスでもマルチプロでもエリートグルメでも、ホエイとカゼインが混じってるんだから、
一般的な牛乳の理論に従うと、これは胃酸で固まる吸収の遅いプロテインと言う事になる。
せっかくホエイもカゼインもエッグも混ぜているのは、ホエイが速く吸収され、
カゼインは遅く吸収され、エッグはその中間くらいで吸収されるという時間差吸収を狙ったのであって、
全てのプロテインを胃酸で固めて遅く吸収させるためではない。
混合プロテインの存在理由が、ホエイ牛乳割りの存在理由と矛盾してるじゃないか。
この一般説ってどういう範囲で一般的なんだろうか。
ネットだけ?日本だけ?世界的に?
そしてどこが発端なのか、研究されてるんだろうかと、かなり怪しく思っている。
もしかしたら牛乳で割ってもホエイは即効性を失わないって事もありうる。
逆に、混合プロテインの方も、メーカーの言ってる事は本当に正しいのかと怪しく思っている。
カゼインだけのプロテインを飲んでも混合プロテインを飲んでも同じ事なのかも知れない。
間をとって、カゼインが少量ならホエイを余り固めないということで両立を考えてみる。
混合プロテインには、ホエイを少しだけ固める量のカゼインが含まれていて、
それ以上カゼインを含むと固めすぎてタイムリリースにならなくなるっていう量を避けてるはずだ。
牛乳に含まれるようなわずかなカゼインが1スクープのホエイを固めちゃうんだから、
混合プロテインに入ってるカゼインは、ホエイに比べてものすごく少ない量なんだろう。
もし混合プロテインを牛乳割りなんかしたら、固めすぎてタイムリリースじゃなくなるかも知れない。
そしたらカゼインだけで売ってるプロテインなんてどれほど固まるんだって話になる。
シンサ6はカゼインよりエッグが少ないわけで、エッグ入れた意味があまりなくなることになるし。
どうしても牛乳割りと混合プロテインは存在理由を両立できない。
結局、最も現実的な話、確かにカゼインは固まるけれども、
牛乳一杯じゃ1スクープのホエイを固めるには全く不十分だと考えるしかない。
固まったカゼインとわずかに巻き込まれたホエイがタイムリリースされ、大部分は即吸収されるので、
ホエイを牛乳で割ったらトレーニング後の血中濃度を上げるのに向いてないってほどには固まらない。
プロテインのラベルに好きな飲物で割ればいいと書いてあるのは牛乳も含まれるわけで、
牛乳で割って大きく性質が変わるようならそうは書くまい。
微妙な差しかないからあまり気にせず、牛乳の方が好きなら牛乳にすればいいって事になるはず。
実験結果があるわけじゃないけど、やらずともそう導かれちゃうだろ。
追記:
牛乳からカゼインを凝固させて取り除いたのがホエイなんだから、
胃酸でカゼインが固まってもホエイは液体のままだよねきっと。