特別扱いされる弘高ねぷた

長男の高校は文化祭の前夜祭と称して、交通規制して繁華街を練り歩く。
あたしも30年前は同じ高校で、沿道の見物客から酒を振る舞われてバカ騒ぎするイベントだった。
大人のねぷた祭りもそう言う物だから、高校生もこの日はそれで良いみたいな風潮があった。
いや、あたしにはそう感じてたけど、万人がそうだったかはわからない。
いよいよ長男も同じイベントをやるかと思ってた去年はコロナで中止だ。
一昨年も中止だったらしく、ねぷたのためだけに高校を選んでる人には入学した意味がない。
3年間しかない高校生活で3回連続中止は避けて欲しいが、昨夜いよいよ開催された。
まぁ、普通に行儀良くねぷた運行しただけで、昔のようなヤバい祭りではなかったけど。
うちの母校らしい、選民思想を植え付けるイベントだなぁってのが一番の感想。
市内に高校がいくつあるかわからないが、文化祭でここまで目立つ事が出来るのは他にない。
よその高校が今後似たようなイベントを始めようとしても許可が出ないだろう。
一番伝統のある、一番頭の良い子だけ集まる高校だから、例外的に開催できている。
あたしの時代だと高校生が酒飲んでバカ騒ぎする祭りを、警察が交通規制して開催してたわけだ。
こんなことが許されるのは、各中学校で成績トップクラスだったごく一部の選ばれた人だけだ。
市内で一番偏差値が高い高校生のパレードだから許される。
って言うか、許すかどうかを決められる立場はきっと卒業生に支配されてるんだよ。
少なくともあたしは3年間「おまえらは選ばれたエリートだ」的な空気を吸わされていた。

ま、実際よその子は威張っても許されるくらい優秀なのもいっぱいいたはず。
あたしは勉強の成績が良かっただけで、勉強以外何も出来ないゴミなのに威張ってられた。
勉強に全振りしてれば何をやっても許されるぐらいの気持ちで生きてた。
高校生まではその生き方で良かったが、その先もうどうしていいやらだ。
勉強が出来たって何の意味もなかったわ。
大学の受験は得意だが、大学の単位を取る試験は全く点が取れない。
受験用の勉強が通用しなくなった時点でもう、あたしは生きる意味を見失った。
けど、高校で植え付けられた選民思想だけは持ってたわけよ。
自分は優れているのではないかと思い込み、だから何かしら解決するのではないかと思ってた。
全く何にもない、スッカスカの空っぽ人間だったわ。

子供達の成長で自分の人生を追体験し「この辺までは上手く行ってたな」とよく思うんだよ。
そしてどこからダメだったかというと、やっぱり選民思想教育からな気がするな。
いやもちろんその教育のせいでより高い目標に向かう優れた子もいっぱいいるだろう。
あたしは逆に、実際はアホなのに勉強だけ得意で来た場違いな子なので、そう思ってはいけなかった。
勉強で勝利してエリートになれたんだと思ったから間違い。
勉強で勝利しても何も得られなかったと気がつき、勉強以外の生き方をすぐ始めるべきだった。
ま、それが出来ないからアホだったんだけど。

うちの子には勉強なんか頑張ったって、友達に勝つことぐらいしかメリットないよって言ってる。
勉強以外の頑張りの方が望ましい。
けどやっぱり、勉強すれば手が届く勝利を欲しがってしまうようだな。
長男もそうだったが、次男も他の高校を選ぶ気は一切ないようだ。

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