定石の急所
囲碁を扱う書籍の中でも、定石のジャンルが最も取っつきにくい。
例えば詰碁なら問題が多ければ多いほどよくて、全問暗記できるぐらいだと物足りなくなっちゃうのに、
数え切れないほどの定石を図鑑のように網羅した本は、多すぎて覚えられないから挫折しちゃう。
上下巻に分かれてたりしたら、買う前に戦意喪失する。
覚えるつもりじゃなく、詰碁のように楽しむつもりで読めたらいいのかも知れないが、
楽しめるほどの実力になる前に、分からなくてもとりあえず暗記を求められる現実がある。
逆に厳選した定石を深く追求するタイプの本もあるが、その深く追求した内容も難しい。
19路盤でゲームするために、とりあえず暗記しないといけない初心者にとって、
定石に含まれる着手の意味を理解することは難しく、意味が分からないから覚えるのも難しい。
難しいからって定石を無視していては、布石の理解も中途半端で止まってしまう。
だからもう、分かるとか分からないとか言わないで、やる気がある時に無理に暗記するしかないのかなと。
さて、勢いで買った「定石の急所」だが、上下巻になっている。
前回定石に興味を持った時は、二冊になってる本を両方読んで見ようという気にはならず、
書店では一冊で完結のものしかチェックしなかった。
だから今回は本当に勢いで買ったにすぎない。
それでもちょっと読んでみたが、定石とはなんぞや的な前振りは少なく、いきなり各定石を紹介する。
一手ごとの意味の説明も最小限で、「急所バッチリ内容ギッシリ」を目指した事は伝わってくる。
死活も5手ぐらいは分かるようになったので、定石も5手ぐらいは分かるようになり、
一度に暗記するまでは行かなくとも、以前ほどチンプンカンプンではなく、まぁまぁ読める。
林海峰ホニャララの急所シリーズがわかりやすいのか、わかりにくくても分かる実力になったのか。
ともかく、これならせめて小目編だけでもちゃんと読める気がする。
ま、覚えるかどうかは別の話だが。
この本の最も信頼に足る所は、暗記しろとズバリ書いてある所だ。
定石という物を全く知らなかった時点では、暗記ではなく理解でどうにかなると信じていたが、
これほど理解しようとしても出来ないと知ったら、理解は後回しでも仕方ないと思えた。
暗記しなくていいよという話は、暗記しなくてもヨミで正解手順に到達できる達人だけでしてくれ。
その領域に達するまで囲碁を続けているかどうかも分からない素人としては、気が遠くなる話だ。
それよりなら、理解できなくてもさしあたって暗記しなさいって言われる方がまだマシ。
つーことで上巻は小目の定石のみなので、まずは小目から勉強。
1月に入って、囲碁を勉強したい気持ちが再び燃えてきた。
趣味が半年しか持続しないあたしは、12月まで予定通りにジワジワ飽きていたのに、
ここからまた予定外に盛り上がって戻れなくなるかも知れない。