簡明定石だけで勝つ方法
別に勝ちたい訳じゃないし、方法があったとしても、多くの定石を身につけることは避けられない。
でも、あたしはこういう「これだけ覚えればあとは覚えなくても大丈夫」系のタイトルに弱くてつい買っちゃう。
「ホニャララ入門」は物足りなそう、「ホニャララ大全」は読むのが大変そう、
その中間みたいなほどよいタイトルが惹きつけた。
ハズレは覚悟の上。
Amazonでは1500円以上送料無料なので、単品で注文するのにちょうど良い価格だってのも理由。
まだ目次しか読んでない。
というのも、目次が定石一覧表になってるから、目次だけで勉強になるのだ。
一冊300ページくらいのうち、果たして目次以外のページが本当に必要なのかと疑ってしまう。
そのくらい、必要なことは目次に集約されている。
たとえばナダレは難しい定石ということになっているので載っていない。
かわりに、ナダレを回避した形が載っている。
自分からナダレにいかない、相手からのナダレは回避、これでナダレは覚える必要がない。
ナダレを覚えるのは難しくても、ナダレ回避を覚えるのは簡単。
だからとりあえずナダレ回避までは覚えろという、明確な基準を示してくれているのだ。
これは定石を扱う本としては画期的な事だと思う。
普通は、ナダレとナダレ回避と両方書いてあるか、またはナダレもナダレ回避も書かないかだ。
ナダレを説明せずにナダレ回避だけを覚えちゃえっていう本が珍しい。
かなり前に買った「定石がわかる本」はごく少数の定石を詳しく解説している本だが、
少数すぎて実戦運用不可能だ。
たとえば星にカカリを打って挟まれた時の定石は載っていない。
挟まれるのが怖くて星にカカリを打てないようでは、星の定石を全く覚えていないも同然だ。
だから結局は、もっとたくさん定石が載っている本も買うことになる。
それじゃ最初に買った本は意味がなかったんじゃないかって事になるわな。
続いて「やさしい定石」「定石の急所」と買ったわけだが、今度は多すぎて覚えられそうもない。
どっちも一度は流し読みしたけれども、こんなにたくさん覚えなきゃいけなくて、
しかもまだまだ無数に変化があると思うと気が遠くなる。
なんとなく読んだ程度では、実戦で打てるほどにはならない。
そこでこの本が画期的なのは、単に簡単な定石を選んで載せているだけではなく、
難しい定石に持って行かせない手順を載せていることだ。
相手がどう打ってきても、全て知ってる定石に持ち込めるように整理してある。
「定石の急所」も林海峰だが、そっちにもまず暗記しろって書いてあったわけで、
そのまず暗記しろという路線を一歩進めて、まずどこまで暗記すればいいのか線引きしたのが新しい。
目次だけで24ページもあるのだが、逆に、ぎっしりまとめれば24ページしか覚えなくて良いってこと。
その程度なら一夜漬けでも覚えられそう。
まだ目次しか読んでない状態で判断するのもなんだが、
本当にこの目次だけ覚えればなんにでも対応できそうな気がする。
ハズレどころか目次だけでお腹いっぱい。