初心すぐ忘れる
囲碁未来4月号を読んでの感想も、3月号以前と同じ。
詰碁とか手筋とかは簡単だが、定石や布石は難しすぎる。
毎月定石に5ページ割いているのだが、毎月3ページ目ぐらいで飽きて、あとの2ページは飛ばし読み。
「この手は攻め合いになって負けるから無理」と活字で説明して図は省略してたりするが、
その省略された変化を読み切ることは、毎月掲載される詰碁や手筋を読み切るよりはるかに難しい。
難しいから諦めて、正しい手順のみを暗記出来ればいいのだが、理由がわからない手は覚えられない。
難しい変化に持ち込まれたらわからない人達が対象の雑誌だから、
難しい変化は省略することで簡単にしたつもりだろうが、
省略して正しい手順のみを覚えると言うのも楽しくない。
難しい戦いに持ち込まれようのない、わかりやすい着手だけで構成された定石に限定できないのか。
5ページもかけてなお説明しきれない定石を、級位者が読む雑誌で連載するのは甚だ疑問。
囲碁がわかる人は、囲碁がわからない人が、何をわかっていないのかがわかっていない。
あたしはこうして、自分がわからなかったことをぶちまけて残しておいているが、
自分は何がわからなかったかすら、普通は忘れてしまうから、わからない人への指導は難しい。
依田ノートで書いてあった「定石の通りに打つだけじゃダメ」っていう話題は、
まず定石の通りに打てるようになってからじゃないと理解できないって、以前書いたが、
同じように、「○○だけじゃダメ」は、その○○に該当することが出来るまでは高度な話題となる。
例えば、囲碁は地の多い方が勝ちだが、地を囲んでいるだけじゃ勝てないって事を、入門者に言う。
しかし、入門者はまず、地を囲むことが出来るようにならないと、その話題にはついて行けない。
「この程度ならわかるだろう」と言うのは、わかる人の見解であって、入門者はまだ地を囲んだ経験もない。
地を囲んで陣地を作るという経験を積み、ようやく、囲んでたら先行される事を理解する。
囲んで地を作ったつもりが侵入されたり取られたりして、囲み方を次第に覚えていって、
その後でようやく、囲んでいるだけじゃ勝てないって話に興味が湧いてくるのだろう。
今、定石が難しいなどと嘆いているが、まず、定石なしで19路盤を打つ所から覚えて、
それだけではダメだと実感してからようやく定石を覚える方が順番かも知れん。