地を伝えたい

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囲碁ってどうやるの?って聞かれた時に、どうやって答えるかは常に考えている。

全然知らない人には、一番近いのはオセロだよって言うことに決めた。
ただし、オセロは挟める所にしか置いちゃダメで、囲碁はどこに置いてもいいから、
オセロで言えばカドにあたる部分に先に置く人が多いと。
それで食らいついてきたら、オセロは挟むけど囲碁は囲むんだよという事を言うことにしようか。
ともかくこの説明は、オセロくらいは出来るという人にしか通じない。
でもオセロが誰でも出来るんだから囲碁も簡単だと、比較して言うのにとても便利。
自分でやる気はないけど、話題として聞いてみただけの人にはこの説明で十分だ。

で、これ以上興味があるなら、それはもう自分でもやってみたいんだと見なしていい。
あたしは始めたばかりだから、最初は何が分らなかったかを覚えているわけだが、
その分らなかった部分を、分るように説明しろと言われればやはり難しい。
ただ、広く行われている初心者向けのルール説明に問題があるということは、強く認識している。

最も問題があると思えるのは、「囲んだ地の大きさを競う」という説明だ。
囲むと言うことや地と言うことについて、あまりにも補足すべき説明を多く要する。
だから、あたしが誰かに説明をする時は、地を競うとか言わないで、点数を競うんだと言いたい。
オセロでは、ひっくり返すと自分が1点増え、相手が1点減るわけで、
実は一箇所で2点の変動が起っている。
この2点を囲碁に置き換えると、石を取って1点、地を取って1点という事になる。
石の1点は確定だが、地の1点は最後まで確定しないということが、囲碁のルールの難しい所。

地は、お互いの納得がなければ点数として獲得することはできない。
あたしが悩んだのは、せっかく囲んだ地が、単独で飛び込んだ石に取られてしまうという問題だ。
地は、囲めばすぐ点数になるのではなく、相手が侵入をあきらめた場合に点数にできる。
相手に侵入をあきらめさせるには、侵入しても奪えないような地を作らなければいけない。
あきらめないと逆に損するという状況を作らなければいけない。
初心者にとって、ただ囲めばいいという表現は、後の理解を妨げる要素となってしまう。

このことを他人に伝えるために、まずは大きい地を作って見せて、
その中にもっと小さい地を作ってのっとられる様子までセットで説明したい。
で、今度はそののっとられた地を石ごと取り返して損させてみせる。
侵入してのっとることが出来るかどうかを予想する力が養われた時こそ、ようやく地は確定する。
いや、相手の技量が極端に低い時は、無理矢理でものっとるからまだ確定ではない。
どんな囲み方でも未確定の地になるが、未確定だと地とは呼ばない場合が多い。
地と呼んでた場所が後でのっとられる場合もあるから、地という言葉は紛らわしい。
お互いにこれ以上侵入しないことを約束し、終戦しようと合意した時こそ地は点数になる。

地の確定には、その判断材料として着手禁止点と2眼とウッテガエシまで覚える必要がある。
囲んでるのか囲まれてるのか分らないという状況では、今打った人が囲んだことになるというルールは、
ウッテガエシを覚えてでようやく理解できたから、これも地より先に覚えなきゃいけない。
そうすると、地と言うことを理解するのはだいぶ後にならざるを得ない。
では、ルール説明の時点で覚えるとすれば、囲んだ地は確定すれば点数になるとしか言えない。
どこに打ってもいいんだから、地の中に打たれるかも知れないと補足し、
打たれるとどうなるかはだんだん覚えて行けと言えば良いんだ。

ここまでおせっかいに教えなくても、頭のいいやつは特につまずく事もなく覚えちゃうんだろうけどな。

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