アーカイブ
ずっと攻略本ばかり読んでゲームをやっていないという状態だったが、
とにかく石の形をもっと意識して打ってみたいという事と、
布石の本ばっかり読んでたら実践したくてたまらなくなり、久しぶりに手談対局との4子局。
以前、4子局で一度は勝ったけれども、それ以来なかなか勝てないでいる。
まだ置石を3つに減らせるほど実力差は追いついていないんだよね。
本を読んだ分強くなって、4子局なんて楽勝かと思いきや全然ダメ。
出来れば三々に入られたくないはずだったのに、なんとなくうまく行きそうな気がして、
左上と右下を一見バサミの定石で地を取らせてやった。
そしたら左下にはかかってこなくて、それより下辺のヒラキにボウシがきた。
そのせいか、左下もいずれは三々に入られるかも知れない事をスッカリ忘れた。
石の形を考えて、アキ三角をさけたのは36手目で、これが後の戦いの火種となる。
この時点では、右辺の白と真ん中の白がつながらないようにして閉じこめたし、
下辺は完全に黒の物で、右辺もほぼイタダキ、上辺まで食い込んで全部貰うぞと言う気分だった。
あわよくば大石取って圧勝だなとも思っていた。
右上からもプレッシャーをかけて、中央まで連絡してくるつもりだったのだが、
61と63の白で上下の連絡が切れたとたん、上辺は目がないので危なくなる。
右辺と連絡しようとするが69手目で完全に断ち切られた。
これでもう黒は右辺に目を作らなければいけなくなり、必死に70、72、74と戦う。
今度は左下にも襲いかかられて、必死で二眼を作るが、サルスベリで取られた右辺もまずく大敗。
一番大きいのは中央だが、そっちはどうしようもないと思ってるから悔しくない。
せっかくだから、左下の侵略と右辺のサルスベリを貰う前まで巻き戻し、やり直してみた。
これならわずかな差で黒が勝っている。
左下で白に二眼作らせるスペースを与えなければ、黒も二眼作る必要がなく、
その辺の戦いに慣れればもうちょっと強くなれる気がしないでもない。
しかしこうして、目を作るかどうかの囲碁をやるのは、19路盤では初めての経験だ。
9路盤でやったとき、石の取り合いになれば必ず負けるので、取り合いにならないやり方を始めて以来、
19路盤でも石をガチガチに守って、置石のハンデ分だけでも勝とうという戦法しか出来なくなっていた。
今回戦いが起ったのは、石の形を意識して一間飛んだ36手目の場所であり、
本を読んでいつもと違う打ち方をしたからこそ石の取り合いになった。
といっても、本のせいで悪い打ち方をし、そのせいで取られそうになったんだとは思わない。
むしろ、本のせいで良い打ち方をし、相手も戦わずにはいられないほど有利になったんだと思う。
40手目から60手目までのどこかでこの場所を継いでいたら、だいぶ戦局は変わっていた気がする。
依田ノートの第一章を読み終わった。
厚いってどういう事なのかについて十分に説明がなされていて、
厚みを利用した打ち方や、厚みとの戦い方についても書かれていた。
十分に書かれているとは思うが、それでも分らなかった事ばかりなので、自分なりの解釈もした。
まず、取られるかも知れない寂しい石は弱く、取られそうもないつながった石は強い。
自分の石が相手の石にはさまれた時、相手の強い石と弱い石と、どっちと戦うべきか。
取れるなら弱い石と戦うが、取れないなら弱い石と戦ってはいけない。
結局相手の弱い石を強くしてしまうからだ。
モタレゼメという技術があって、はさまれている時は一方にもたれかかって打つのだが、
普通は相手の弱い方にもたれかかるのではなく、相手の強い方にもたれかかる。
相手の元々強い石はそれ以上強くしても損ではない。
それで自分も強くなってるので、相手の弱い方の石と戦えるようになるわけだ。
はさまれて弱い立場をこれで挽回した。
ところが、そのもたれかかるべき強い相手の石が、強すぎて既に生きが確定していた場合、
もたれていっても反応してくれないばかりか、原則通りに弱い方の石からはさまれてしまう。
強い方にもたれていけないからって、逆に弱い方に持たれていっちゃうと、
弱かった相手の石を強くする手助けをし、まんまと打たされたと言うことになってしまう。
というわけで、生きが確定した相手の石があると、その周辺では戦いにくくなる。
攻めたときに応じる必要があれば薄く、応じる必要がないほど厚いと理解した。
自分が厚みを作ったら、そこから6間ほど開き、相手の石をその間に誘い込むのが理想らしい。
相手が入ってこなければそこは地になるから、それはそれでいいらしい。
厚みの活かし方は知ってて当然って感じで、そこまでしか書いていない。
逆に相手に厚みを築かれた場合にどう戦うかはいろいろ書いてあるのだが、
単にその6間開いた所に先着しちゃえばそれだけで、もう厚みは小さく囲んで地にするしかなくなる。
こんなに簡単にやられちゃうなら、実利を取られて厚みを取ったなどと胸を張れるわけがない。
厚みは取るものではなく取らされるもので、すぐに潰されちゃうから損なんじゃないかと。
ここまで読んで、厚みなんて正しく応じられる相手とやると何のメリットもないように思えた。
碁は最初は陣取りゲームで始まるが、石が接してくると石取りゲームになり、
その石取りの時点で勝負がつけば中押し、そうでなければまた陣取りに戻るという流れだが、
厚みとは石を取られにくい状況を指しているようなので、石取りには有利ということになる。
しかし中盤も石取りに負けないように陣取りを続ければ、最後まで厚みは必要ない。
地を取ってしかも厚いという、趙治勲の地取り戦法の続きを読みたくなってくる。