加圧エクサパンツ
ある人がそれを買ったらしいのだが、どうやら本当にそれが欲しかったらしい。
あたしは知らなかったが、テレビ通販でやってるんだって。
あたしゃてっきり加圧トレーニングの偽物で、加圧トレーニングをやりたい人がだまされて買う物だと思ってた。
しかし買った人の話を聞いてみると、加圧トレーニングではなく加圧エクサパンツが欲しかったようだ。
すなわち、あたしにとって加圧エクサパンツは加圧トレーニングの偽物だが、
買った人にとっては加圧トレーニングこそが加圧エクサパンツの偽物なのだ。
だから、加圧エクサパンツは偽物だよ、本物の加圧トレーニングはそれじゃ出来ないよ、
なんて教えようとするのは大きなお世話であり、買った人には全く不要な情報なのだ。
そもそも加圧トレーニングは、わざわざ時間を割いてつらい思いをする筋トレであるのに対し、
加圧エクサパンツは履いてるだけで自動的に筋トレになる、つらくない物なのだ。
わざわざ筋トレする必要がないから加圧エクサパンツを買った人に、
わざわざ筋トレをしなきゃいけない加圧トレーニングを勧めたって、全然ニーズが合うわけがない。
名前が似てるから、どっちかが偽物だと思ってしまうのは当然のことだが、
あたしは先に加圧トレーニングを知ったから、あとから知った加圧エクサパンツを偽物だと判断しただけで、
先に加圧エクサパンツを知った人は逆の判断をしても不思議はないのだ。
しかし、加圧してますよって言ったら、加圧トレーニングなんだか加圧エクサパンツなんだかわからない。
両方知ってる人はどっちなのか聞き直すだろうけど、どっちかしか知らない人とはすれ違う可能性がある。
でもどっちかがどっちかを告訴しない限り、どっちもパクリじゃないんだから紛らわしいままなんだな。
どっちも違った意味で加圧はしてるし、嘘は言ってない。
でもあえて言えば、加圧エクサパンツは加圧トレーニングにわざと名前を似せた便乗商法だ。
「本格的加圧エクサを手軽に体感できる加圧エクサパンツが新登場!」って、
本格的加圧と本格的でない加圧があり、これは簡単な方っていう紹介の仕方だが、
あきらかに、テレビで芸能人がよくやってる加圧なんとかを連想させようとしてるフレーズだ。
家で出来ないやつが加圧トレーニングで、家で出来る加圧エクサは似たような物だと思わせようとしてる。
でも、本当に商品に自信があるなら、お互い、向こうとは関係ありませんと目立つように書くべきだが、
どっちも書いてないって事は、どっちも便乗見たいな事を狙っているのかも知れない。
加圧エクサパンツは当然効果がないから、効果のある加圧トレーニングに便乗したいだろうし、
加圧トレーニングはつらいから、履くだけの加圧エクサパンツに便乗したいだろう。
どっちも、間違えて貰う事でそれなりにメリットがある。
お互いに便乗してたらそりゃ両方偽物って事で、まぁいいんだろう。
あえてつらい筋トレをしてる人はみんな、つらくない加圧エクサパンツじゃ効果がないと判断出来るし、
加圧エクサパンツを買った人はみんな、わざわざ筋トレしたくないから買ったんだから、
全然住む世界が違っていて、両方欲しい人もいないだろうし、紛らわしい物があることを知る必要はない。
欲しい方を買い、やりたい方をやれ。
おせっかい不要。