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新垣武の実戦に役立つ死活反復トレーニングに、ようやく一回ざっと目を通した。
レイアウトがバラバラなので、蛍光ペンで正解図に印をつけたり、
正答が複数ある物は複数あると書いておいたり、手番の誤植を直したりした。
基本形は50個だが、それぞれについて3問~12問出題し、合計227問。
ただし、1問目の続きを2問目で確認するだけの物も多いので、227問よりやや少なめという事にしても、
それでも、少なめの詰碁集と比べて倍のボリュームがあるって感じか。
前書きとコラムで、創り物の詰碁は役に立たないような事を主張しているから、よっぽど実戦的なんだろう。
石田芳夫の実戦詰碁とも、白江式詰碁とも、基本死活虎の巻とも共通する形が出てくる。
いろんな本に出てくる形こそが、実戦でも発生するから取り上げられる形であり、
一つの本にしか書かれていない形は、その著者の創作でしか発生しないんじゃないかと思ってしまう。
この新垣武の本にしか出てこない形だってあるわけで、いかにも創作っぽい形をしていても、
その形が出来上がるまでの手順が19路盤で掲載されているんだから説得力があるんだよな。
この本だけじゃ基本形がたったの50だから、足りない感じがしちゃう。
他の基本死活とか実戦詰碁には必ず出てくる形が載ってないわりに、攻め合いの問題も載っていたりし、
一冊で必要なことの網羅を目指しているわけではないようだ。
石田芳夫の方では黒先白死で出題された形が、新垣武の方では援軍がいて連絡出来てしまう。
石田芳夫の方しかやってないと、これは死にだと思ってしまう形なのに、
実戦では周りの状況で死なないこともあるよと言うことを、新垣武の方で知ることが出来た。
また、石田芳夫の方に出てくる形より2手前の形で出題されてる問題もいくつかあったりし、
新垣武の方がちょっとレベルが上って感じ。
同じく石田芳夫がNHK囲碁講座で出題した初段の詰碁の2手前もあるから、
石田芳夫が想定する初段のレベルよりは、全体的に難しい。
基本死活虎の巻よりは簡単っぽい印象だが、単に見慣れた形が多いだけかも知れない。
問題数が多いし難易度もちょっと高めということで、暗記してもなかなか早解きは難しいかもな。
一応、石田芳夫の方の倍で、まずは2時間で一周できるようになるのを目標にしておこうか。