白江式詰碁#2

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「目で解く基本死活集」の章100題のうち、89題のところで、
ここまでやって実力をつけたはずだから解けるだろうとかいう表現がある。
別に88問目までをマスターするほどやった訳じゃないので、とても違和感があった。
この本はどれほど物覚えのいい人を対象にしているのかと、つい反発したくなる。
一回読んだだけで全部身につけながら先に進む事ができる人専用の本か。
それとも、ちゃんとマスターするまで次の問題に進んじゃいけないのかと。

その次は左右同型の章なので、一手目は全部真ん中で、後のヨミもスムーズにぱっぱと終わらせた。

続く応用の創作詰碁の章に、何かと疑問を感じる。
実戦に登場する基本を繰り返すことで、実戦に強くなるというのがこの本の狙いだったのだから、
この一冊にはより多くの基本問題しか書かなくて良いだろ。
それでもなおかつ応用として掲載するのなら、基本の章との関連性をもっと打ち出すべきだった。
例えば基本の章と比べて複雑で難しそうな問題が、基本の章と同じ手筋で解ける例を挙げるとかね。
きっとそういう章だろうと思ってやってみたら、全然思い浮かばない意外な一手目の問題とかがあり、
基本の100題のどれとも通じることのない、応用とは名ばかりの創作詰碁で、
本のコンセプトである「なるべく作り物じゃない」にも該当せず、どうにも受け入れがたい。
作り物でもいいなら、あえて読みやすさとかを犠牲にした基本の章の存在価値がなくなる。
しかも、基本の章は応用の章に応用できなかったんだから、基本にもなってないことになる。
「これだけを繰り返せ」って書いてあるが、これだけを繰り返してもどうにもならないと思う。
「これで十分」でもないと思う。

難解な詰碁に応用が利くという意味の基本ではなく、実戦に応用が利くという基本なら歓迎だ。
だったら、応用の章はともかく、その基本の100題だけでも、何度も繰り返しやっておきたい。
わざと類似問題を出し、同じ形をいろんな方向から考えさせるスタイルも面白いし、
悪い本ではないと思うのだが、売り文句が過剰すぎて、期待も大きすぎたのかも知れない。

ということで、以前は途中で挫折したこの本だが、今ならある程度楽しく読めたからよし。
多分そのうちまた読むだろうと。
さて次だ。
まだまだ、買って手を付けてない詰碁本がいっぱいある。

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