ガソリン税の話

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昨日コンビニに行ったら、駐車場に14台停まっていた。
都会では、コンビニは歩いていく所であり、駐車場は無くても営業できるが、
田舎ではコンビニに限らず、駐車場スペースこそが店の収容人数と売り上げを決める。
行っても停められないかもしれない近くのコンビニより、確実に停められる遠くのコンビニを目指す。
車の運転が下手な人は、そもそも駐車場が広いような場所にしか出かけない。
これが地方の車社会だ。
別に、贅沢で車に乗ってるわけではなく、車がないと生活できないのだ。

都会ではちょっと待てばすぐ電車が来るし、乗り継いでどこにでもいけるが、
地方では、駅がそもそも車で行かなきゃ行けない場所だったりする。
鉄道で行ける場所なんて限られていて、旅行の時ぐらいしか使わなかったりする。
バスだって、1時間に1回しか来ないくせに、雪による渋滞で1時間遅れたりする。
高齢者は長距離を歩けないので、雪に凍えながら1時間ボンヤリと待ち続ける。
学生も、遅刻はバスのせいに出来るので、遅れたって知ったこっちゃない。
自転車は夏場しか使えないので、自転車を前提にした距離勘定もできない。
そうなると、責任ある社会人は車に乗るしかないし、雇う側もそうして貰わないと話にならない。
車を運転しないと外回りの仕事が出来ないわけで、まともに職にも就けない。
生活保護を受けてる人と、免許を取る年齢じゃない人と、高齢者以外、
全員一人につき一台車に乗ってるし、そうしないと仕事も生活もままならない。

たとえこのままガソリンが値上がりし続け、200円になろうが300円になろうが、
贅沢で消費してるのではないんだから控えるということも出来ない。
ただ出費が多くなって、その出費に耐えられなくなった時点で破綻するという、それだけの話だ。

ガソリンが高くなれば、都会では車を買ったり乗ったりする人が減り、環境保全に貢献するだろうが、
地方では車に乗ることをやめるということは、働いて生計を立てることをやめることなので、
環境などというグローバルで将来的な話より、今の生きるか死ぬかを優先するしかないのだ。

今のところ、ガソリン税は贅沢税だという前提のもとで議論されているが、そうでない地域もある。
道路が欲しいという話も、鉄道やバスが不便だからしかたなく道路なわけで、
自分で運転しなくても便利に生活できる方が、道路が整備されるよりいいに決まっている。
油だけでなく、車輌の購入だって大変な出費であり、給料が安い若者はローンで苦しんでいる。
不動産屋なので、よその人の生活レベルがちょっとはわかるのだが、公務員以外はギリギリだ。
ギリギリのアウトで転落してる人も続出だ。

ガソリンは節約できる物ではないので、贅沢税のつもりで多めに取られるのは納得いかない。
だからって、税率を下げたら除雪の費用が削られて、これも生活できなくなるから困る。
生活が苦しくて、税金を払いたくても払えず、でも税金で助けて欲しいことはたくさんある。
だから、ガソリン税を下げろとも下げるなともいえないし、どっちも困る。

こんなに困ってるのに、道路を造ってる国交省関連の偉い人はどうして楽な暮らしができるのか。
貧困に喘いで当然の人間はむしろそいつらのはずだろうに。
偉いから金持ちなんだと言う理屈を、偉くない貧乏な人に押しつけようとすると、
我慢してもどうせ死ぬんだという限界に達した時点で、犯罪で生きのびようとするに決まっている。
偉い人って、偉いくせに自分の取り分が妥当かどうかの判断も出来ないのか。
偉い人は全員、偉い人罪で裁かれればいいな。

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