アイヌを「あ犬」と言って差別すると言うことが昔からあったらしい。
「カモシカのような脚」って言われると褒め言葉になるからややこしい。
おそらくブタやゴキブリに例えられたら、どんな内容でも悪口になるんだと思う。
ライオンとかは勇ましさで褒める場合が多く、ゴリラはどっちとも取れるわけだ。
じゃぁ犬って言われたらどうかというと、まぁ確かに悪い意味は多いような気がする。
国家権力の犬みたいな言い方もあるし、尻尾振ってヨダレ垂らして調教しやすいイメージもある。
しかし普通にペットとして可愛がられてる動物の代表でもあり、常に悪口とは言いがたい。
例えばワイドナショーに出てる犬塚弁護士も、妻が猫山だったらややこしい等といじられた。
犬って言われたら全部悪口だって事でもないし、名前いじりは日本じゃ一般的なコミュニケーションだ。
アイヌで何かボケろと言われたらまず名前をいじるなんて、とてもありがちなことだ。
サッカー番組でもクリスティアーノロナウドをクリクリってしょっちゅう言ってるし。
ルカクはベッカク、ドンナルンマはどんなもんだ、って名前いじりを展開している。
でも、アイヌの場合はその名前いじりが差別になっていたという歴史的経緯があるようだ。
もし犬塚弁護士も犬って言われて不愉快だった過去があるなら、言われたくないと思うかも知れない。
でもそれは教えて貰わなきゃわからなくて、アイヌのことも知らなきゃ知らないんだよな。
バック・トゥ・ザ・フューチャーでもマッドドッグって知らずに地雷を踏んじゃった。
だから知ることが大事で、誤解をなくすことが差別をなくすことに繋がる。
何を言ったか隠して配慮したら、他の人も知らずに同じ言い方を繰り返すんじゃないか。

んで当のアイヌ側がかなり怒ってるらしいんだよ。
謝罪しても許さないみたいな。
そこをえぐっちゃダメだって知らずにやってんのにな。
サッカー番組が当たり前にサッカー選手の名前をいじる風習で、アイヌはいじっちゃダメなんだと。
しかもそのことが徹底教育されてはいないんだよ。
アイヌは犬に例えられて蔑視されたって、誰かが教えてくれたらボケなかっただろうに。
じゃぁ再発防止のためには、アイヌはそういう経緯があるんだよと広めることが必要なはず。
でも発言内容は隠して、とにかく何か悪いことを言ったって話になる。
悪いことを言わないつもりで生きてる人でも、歴史を知らなきゃ地雷を踏んじゃうんだよ。
何も悪気がなく、文化的によく普及した名前いじりで傷つけてしまうかも知れない。

やっちまった芸人ではなく、テレビ局とかの責任者に怒ってるらしい。
でもテレビ作ってる人だけが知ってれば良いことではないだろ。
テレビで誰もやってないネタだから、オリジナルとして次々に同じダジャレを言う人が出てくる。
許さないって言うなら再発防止こそが唯一できる努力だろ。
偉い人が止めることが出来たんじゃないのか、じゃねーだろが。
止め続けた結果、誰も禁忌を知らないって状態になった。
犬って言われるのが嫌だと知れることすら嫌だってのはもう、回避しようがない。
見えてる地雷は踏まないが、隠された地雷は踏む。
隠しておきながら踏まれたって怒ってもさ、怒る前に自分のやってること考えろや。

あと、サッカー選手の名前いじりも個人的には愉快で見てるわけではない。
名前いじりは発想が安易だから好きではない。
佐藤さんはシュガーだから甘いだとか、別に差別の意味がなくてもそもそも面白く感じない。
そういえば、ここまで長々と書いてやっと今思い出したが、あたしも犬って言われてた。
ケンだから。
だから名前いじりは面白くないと思ってるのかな。