四年ぶりの日本らしさ
日本が日本らしいサッカーをしたのは実に四年ぶりの事ではなかろうか。
前回W杯直前のドイツ戦を思わせる今回のイングランド戦で、懐かしささえ感じてしまった。
正直、こうなったら勝ち負けなんか期待してないが、こういうハプニングだらけの対強豪戦は楽しい。
もちろん今回も、タレントだらけのイングランドによる歩幅の広い優雅なサッカーを堪能すべく、
対戦相手が黄色人種であることでさらに際立った面白さを期待して視聴した。
全く期待してなかった先取点を、やっぱり日本はフォワードでなくセンターバックが決める。
実況ではワンタッチでのボール回しをしきりに褒めていたけれども、
ボールが良く回ってると言うことはチャンスも作って、フォワードかせめて中盤が活躍しそうなのに、
そういうときに限って前線は守備で活躍する。
闘莉王がセットプレイするからには、他のチビフォワードと違って上かと思わせといて下という、
全てにおいて得意を活かさず逆を行くサッカーというのが、ヒデがいた頃の日本らしい。
相手のフリーキックに腕を振り上げて豪快にPKを献上するやつがいたかと思えば、
そのPKを止めるやつも出てくるし、もう一人走り込んでのシュートも枠外。
決定的ピンチを自ら招いておいて神がかりなプレーと偶然ではね飛ばす演出はお家芸と言える。
さらに、自殺点2を含む3点は日本のセンターバック二人による物で、
あれだけスタープレヤーを揃えるイングランドがゴールを決めることが出来なかったという仕上がり。
相手は代表選考を兼ねた試合だったらしいが、日本らしいサッカーとの対戦を基準には選べないだろう。
ルーニーも単なる体格の良い若ハゲに成り下がった。
序盤でリードされるし誰も活躍できずに逆転を献上され、かなりの混乱を与えてやった感じだ。
相手監督の抗議に対して岡ちゃんも滑稽なジェスチャーで返答した辺りは、
もはや本場のサッカーを冒涜して辱めている瞬間なんだと確信できた。
これぞ、世界を驚かせてやるって言葉に期待した、本当に驚くサッカーだ。
ただし一つ惜しいのは、いつもなら決定的なシュートチャンスを作ってなぜか外すという演出もあったのに、
今回は柳沢や高原などの、それに向いた逸材がいなかった事が悔やまれる。
玉田あたりミドルが入りそうもなかったんだから、もっと惜しい演出にして欲しかったね。
日本の魅力は勝ち負けじゃなく、こういう相手にこういう試合をすることなんだが、
やっぱりアジアカップの敗退でコンフェデに行けなかったことなど、
相手に恵まれないせいで面白くなかったとも言えるんじゃないかな。
本番でヨーロッパ人相手にこういう試合をして、負けても良いから演出で楽しませてくれたら嬉しい。
アフリカ人にはあんまりこういう展開が出来た試しがなく、面白くならないかも知れないが。
勝ちを期待するならそれなりのメンバーや監督にも恵まれなきゃいけないだろうが、
面白さを期待するならこのメンツでも十分やれる。