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2007年 12月 21日 のアーカイブ
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アマゾンの評価と、書店での仕入れ具合から、人気がある本なんだろうという判断で、9月に買った本。
9月に買ったにも関わらず、18ページまでの序章しか読まずに本棚に眠っていた。
もちろん、日本棋院の囲碁文庫のカバー強度の問題であって、中身に不満だったわけではない。
ビニールカバーを装着し、もう一度序章から読んでみた。

序章は不親切で難しい。
「天下初段」シリーズと言うことで、初心者は相手にしていないという事かも知れない。
「実戦手筋の急所」の方は、同じ事を親切に書いてあるのでわかりやすい。
例えば眼を作った時の内ダメに関する説明でも、最初に攻め合いの達人を読んで理解できず、
その後に実戦手筋の急所を読んで理解し、今もう一度攻め合いの達人を読むと説明のダメさを感じる。
また、大ナカという言葉が突然出てきて、その後、大ナカ小ナカについて先に述べたと書かれている。
説明を省略して突然使用したくせに、その時点で説明した気になってるなんて、なんたる勘違い。
ナカデの九九をご存じですかと、まるでご存じでない人もターゲットにしてるかのような書き方だが、
「五目ナカデなら8手かかるという意味」って、短い説明しかしていない。
この辺は別の本を読めば親切に書いてあるので、別の本を読めという事だろう。
面倒くさいながらも形だけの序章を設けたっていう、やっつけ仕事に腹が立った。

その後、ちょうど半分くらいまで級位者向け、後半は有段者向けの問題のようだ。
序章は難しかったが、その後の級位者向け問題は簡単に解けるので楽しい。
まだ始めたばっかりだが、この調子なら難しい後半も慣れて楽しめそうな気がする。
黒番統一は良いが、正解ページのレイアウトは悪く、どこに正解図があるか統一されてない。
依田の詰碁ほど不親切ではないとしても、やはり配慮の足りなさはそこかしこに現れている。
まぁこの程度の不親切は我慢できる範囲だろう。

そもそも囲碁で「攻め」って言ったら、石を取ることではなく、取るぞと追い回す事であって、
相手は普通、取られないようにどうにかするので、取るまでには至らず、別の利益をあげる事になる。
でも、「攻め」ではなく「攻め合い」って言ったら、石を取り合うことに変わっちゃうんだな。
相手の石を取らなきゃ自分の石が取られるという状況で、一手でも先に取れたら安全になる。
死活の問題だと、ナカデを決めたらおしまいだが、攻め合いではナカデを決められても逆転する。
囲碁未来の認定問題では、死活と同等に出題されるほど重視されている。
実際の対局でも、攻め合いでどっちが勝つかを読まないと打てない手が多い。

死活の問題では5手までしか読めなくても、攻め合いなら、4手対5手って言ってる時点で計9手なわけで、
読みのトレーニングとしては死活と同じくらいの効果がありそうに思える。
定石や打ち込みの手筋では、正解を暗記するだけで、読みが追いつかないのでちっとも面白くないが、
攻め合いの手筋は自力で試行錯誤出来るから楽しめる。
もっと親切で読みやすいやつがあればいいが、なさそうなのでこの本は結構繰り返しやることになるかも。

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