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2007年 8月 24日 のアーカイブ

なんだかんだで結局欲しいソフトを全て入手した。
で、本来であれば自分で戦ってみてその強さを比較すべきだが、なにしろまだ自分の実力が低く、
プログラム同士で戦わせて実力を見る事にした。

「最強の囲碁」は初段認定なので確かに強い。
無料のバリュー囲碁に3子ほどの実力差があるようだ。
エンジンは色々とカスタマイズできるので、勝てるチューニングを使い分ければもっといけるかも。
ただ、多少の強さの違いがあったとしても、このプログラムはバリュー囲碁にソックリだ。
急場の優先度の考え方がいかにもコンピューター的に見える。
仕掛けられた所に応戦する事はするのだが、別の所を打ってから戻ってきたり、
いまいち手に納得できない。
相手の地への無謀に飛び込み、そこでミスすれば大逆転だという手が好きらしく、
絶対に生きはないという石を終盤たくさん打ってきて、応手が面倒くさい嫌なプログラムだ。
これは戦って面白い囲碁じゃないなという感じ。
オススメできない。

烏鷺はどこにも段位が書いていないので、おそらく有段レベルには到達していないのだろう。
バリュー囲碁と互角かちょっと弱いくらいだ。
期待していた人間らしさは確かにあり、応援したくなるプログラムだ。
たとえば最強とバリューを戦わせると、アタリに行っても守りもせず取りもせず、
両者ともそこを放置して、それ以上の急場で戦ってそのうち帰ってくるということが良くある。
CPU同士ではわかっているのだろうが、人間が見るとなぜ今ここを戦うのか疑問を持ってしまう。
しかし烏鷺はアタリに行って守らなければちゃんと取るし、手を抜くタイミングも納得がいく。
そのせいで逆に、一箇所にこだわりすぎて全体で負けるという、人間らしい弱さも兼ね備える。
人間の有段者のように強いのではなく、人間の級位者のように弱いから、実に共感できる。
弱いと言ってもバリュー囲碁には匹敵しそうな感じだから、そんなに悪くはない。
同じくらいの強さなら、このくらい人間的なプログラムと戦った方が面白そうだ。
ただし、このプログラムは負けを悟ると投了してしまう。
初心者ほど、最後までヨセの練習をしたいのに、投了されたらそれが出来ない。
かといってヨセの練習が要らない上級者の相手が出来るほど強くはない。
これもオススメできない。

手談対局だけはオススメできる。
といっても、他のオススメできないプログラムと比較しないと、何が違うかはわからないのだが。
ただし高くても操作性は悪いし、CDチェックするのが最大のネックだが。
実力は、長考に設定するとバリュー囲碁に5子以上、長考ナシでも3子以上の差。
強さにも質があり、「最強の囲碁」みたいにコンピューター的な強さじゃ全然面白くない。
手談は見ている自分が応援したくなる強さだ。
狙いがある一手にホレボレする。
必ず納得できる手で戦い、まるで烏鷺を強くしたような人間らしさを発揮する。
長考ナシで「最強の囲碁」と戦わせたら10子ぐらいで勝ちそうだったのだが、
死んだ石をしつこく利用してミスを狙う戦法にハマり、アタリを見逃し大石取られて大逆転負け。
そのアタリはあたしにも見えていたくらいで、そこをついでいれば勝ちだった。
長考ナシでも人間的な打ち方は変わらず強い。
初段になるってのはこのくらいの強さを目指せばいいのかと、非常に参考になった。

単純に囲碁を打つだけではなく、他にも気になる要素がある。
バリュー囲碁は定石がリアルタイム表示されるから、初心者はそこに打てば覚えられるかも。
烏鷺には棋力測定的な要素があって、実力が伸びるにつれてやる気を出させるかもしれない。
最強にはエンジンのチューニングが付いているし、ヒントを理由まで詳細に知ることが出来る。
手談は対局中もずっと形勢判断しっぱなしに出来る。

結局全部触ってみないとどれがどうだかわからないわけで、最終的に手談対局が一番気に入った。

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