フィラメント状の話

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NHKスペシャルでアクチンとミオシンの3DモデルCGが登場した。
あたしがイメージしていた物とは違いすぎて、かなり驚いている。
今回は細胞分裂が行われる際に、一つの細胞を締め上げて二つにする役目で登場した。
あたしにとっては筋肉が伸び縮みする時の引っ張り役として記憶されている。
その筋肉内を説明したよく見かける図の表現が、あたしには誤解して伝わったようだ。
なまじ大学で生物学をやったせいで、これが高校の知識か大学の知識か覚えてない。
どっちかの時点で図を見て誤解し、そのまま現在に至る。
なんならフィラメントと言う語句すら誤解してたわ。
あたしにとってフィラメントという言葉は、カメラのフィルム見たいなものと言うイメージだ。
すなわち平面、もしくは膜だと誤解してた。
筋肉の話以外でフィラメントって言葉をどこで使ったか覚えてない。
他でも使ってればこの誤解は生まれなかっただろう。
筋肉内での図を見て、アクチンという平面とミオシンという平面のミルフィーユだとイメージした。
けどそもそもタンパク質って鎖状なんだから平面を構成するのは不自然なんだよね。
図を書いてる人も別に平面に見せようとはしてない。
けど引っ張られる構造をイメージしようとして、勝手にミルフィーユ状を想像した。
そしてフィラメントという言葉すらミルフィーユに引っ張られて平面だと思い込んだ。
カメラのフィルムみたいに平面なアクチンとミオシンを重ね合わせてる図に見えた。
何十年もフィラメントは平面だと思って来たので、今後もそのまま勘違いする事が多そうだ。

平面がミルフィーユになってるのではなく、糸が束ねられてる図だったわけよ。
NHKでは細胞分裂時の様子なので、アクチンもミオシンも単独で浮遊している。
細胞分裂の職場まで浮遊していって、現場で初めて顔を合わせて一緒に仕事をする。
糸が束ねられていって綱になって、締め上げて二つの細胞へと引きちぎる。
筋肉の場合はサルコメアであり、おそらく束ねられた綱の状態でチームが決まっている。
初めましてで仕事してるわけじゃない。
とは言え、これらは常に合成と分解を繰り返してるとか言われるわけだ。
綱はしょっちゅうほどかれ、しょっちゅう束ね直しが起こってると思われる。
その辺もNHKで出てきたCGの紐がウジャウジャやってるんだろうなと想像できる。

これを認識したからと言って、今日から筋トレのやり方が何か変化する訳でもない。
知る必要のない知識かもしれない。
膜だと思っていようが糸だと思っていようが、なんの影響もない。
でも長く誤解してたから大事件ではある。

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