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2021年 12月 11日 のアーカイブ

以前から「ナントカ大好き人間」みたいなことを言う人の心情を考えたりしていた。
カレー大好き人間は、単なるカレーが好きな人間だろうが。
そのことについて、先ほど「タンパクオトメ」と言うプロテインのネーミングで納得いった。
オトメを売ってるわけじゃなくプロテインを売っている。
ただのたんぱく質の粉にタンパクオトメと書いて、かわいいマークを付けるとバカ売れする。
おそらくそのかわいいマークがタンパクオトメちゃんなんだよな。
たんぱく質で出来た気持ち悪いオトメではなく、たんぱく質が好きな大好きオトメのマークだ。
そうそう、これがカレー大好き人間と一緒で、タンパクオトメと言うカテゴライズなわけだ。
人間には自己アピールという習性があり、自分の好きな物が何かを言いたくて仕方がない。
しかも少し誇張したい。
カレーが好きって言う当たり前のことじゃインパクトに欠ける。
けどカレー大好き人間なんですって言えば、かなり常軌を逸した極端なカレー好きだと主張できる。
サルとメガネザルは違う種族だと言わんばかりに、人間とカレー大好き人間を区別しようとする。
現実はただの人間だけれども、他人にカレーが好きな人間として扱われたい時の自己紹介だ。
同様にプロテインにタンパクオトメと名付けると、たんぱく質を他人にアピールしたい女が飛びつく。
実際に栄養としてたんぱく質が欲しいだけの人はこんなコスパの悪い物は買わない。
そうじゃなく、プロテインを飲んでますと人に言いたい層の財布をガッチリつかむと言うことだ。

自分はたんぱく質を摂取しているかわいいオトメですって投影できる、かわいいマークが付いてる。
こんな完璧な商品の売り方はそうない。
天才的だ。
ただマークがかわいいだけだったら売れなかったかも知れない。
そのかわいいマークが自分だよと投影できてこその成功だ。
粉なのにオトメを売ってかわいいマークを付けるなんて、商売の神が考えたとしか思えない。
日本で物を売ると言うことはこういうことだと感心する。

そこでこれを参考に、めちゃくちゃカレー好きな人に売れる商品を想像してみた。
カレー大好き人間じゃなく、もっと極端にカレー好きだとどうなるか想像した。
「カレーバカ」でめちゃくちゃ汗流してカレー食ってるイラスト付けたらどうだろうか。
そう言うレトルトカレーを出せば、別に中身が美味しいかどうかに関係なく売れまくる気がする。
いやもちろん継続して売るためには中身も関係するが。
じゃぁ自称カレーバカが買いそうな、普通のカレーより何かしらの極端を行えば良い。
辛すぎるのはカレーバカじゃなくて辛さバカだから違う。
ニンニク入れすぎとか風味強すぎとか、一般向けでない味をあえて狙えば売れると思う。
大盛りにするのも良いかもしれない。
自称カレーバカの人がリピートして話題にもなる気がするがどうか。
タンパクオトメがなぜ売れるかわかる人なら、こういう発想もわかるだろう。

日本ではプロテインの売り方が二極化している。
昔ながらの手法で高く売ってるところも健在だから、それよりは輸入プロテインの方が安い。
けど今や輸入プロテインより安い物が日本で買えるようになった。
それらが安い理由はシンプルに、利益を乗せてないからだ。
下手したらプロテインで赤字を出しても良いから売りたいというところもあるだろう。
例えばプロテインで儲けなくても一緒にアミノ酸を売れば儲かるとか、色んなケースが考えられる。
あたしはがめつく切り詰めて安いプロテインを選び、それしか買わないから悪い客だ。
こんな客ばかりだったら確実にプロテイン屋は潰れるので、安いところほど心配だ。
そんなあたしに選ばれてしまってる心配なリバティライフが、女性用のプロテインを発売した。
以前のあたしなら、こんな情報弱者を騙す商売をする会社は滅べと思っていたに違いない。
けどなんせ、あたしが買ってる安いプロテインをそのまま安く提供するのには役に立つ。
安い方が売れても儲からないが、それで会社の知名度が上がれば高い方も売れる。
高い方が売れれば安い方で儲からなくてもやっていける。
女性用プロテインがもし売れなかったら、きっと安い方のプロテインを値上げしてしまうだろう。
そうなったら、安さのみで選んでるあたしのような客も離れ、プロテイン業界から撤退するだろうな。
よって、この女性用プロテインの販売開始は、非常に応援すべき冒険だ。
あたしにはこんなもん女でも買わなそうに見えるけど、ぜひ売れて欲しいところ。

現在、女性用プロテインとしては、タンパクオトメと言う商品がとても成功しているっぽい。
その理由はたぶん、かわいいマークに尽きる。
同じかわいいマークの付いたシェーカーも売っている。
マークがかわいいと言うだけでシェーカーもバカ売れして、そっちは品質悪すぎてレビューが酷い。
そりゃシェーカーは使ってみればすぐ品質がわかるからごまかしが効かないだろうさ。
けどプロテインの品質なんてわからないから、とりあえず腹を壊さなければいいだけ。
女性用と言うことで一回分で飲む量もほんのちょっぴりで、我慢して飲むようなつらさもないだろう。
何か美味しい物に混ぜちゃえば、その粉が入ったかどうかわからないほど微量摂取だ。
その何十倍くらい飲まなきゃ意味ないと思うが、何十倍も飲める価格ではない。
シェーカーの品質が悪いのにプロテインの質が良いとは到底思えないが、そんな物が売れる。
マークだけで売れる。
よく騙される人がいる物だと感心するわけだが、それが日本人のスタンダードだ。
このプロテインを買うことが模範解答だ。
これを買わないあたしが異常者だ。
間違っている。

この、女性にめちゃくちゃ売れてるタンパクオトメに比べ、リバティライフは全然かわいくない。
成分だけ比べたら上位互換とも言えるほどよくやっている。
けど売れる理由は成分じゃない。
かわいいマークを付けろ。
プロテインとシェーカーと両方にかわいいマークを付けないと売れない。
成分で選ぶのは男の発想であり、女はマークで選ぶんだよ。
極論、プロテインにたんぱく質が入ってなくてもマークが良ければ売れる。
真っ黒な袋で成分で勝負しようとするような、男の発想しか出来ないやつはクビにしろ。
袋でコストカットしてないで、高い袋に入れて高く売れ。

うーん、こりゃ失敗するかも知れない。
安い方のプロテインも心配になってきたな。