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昔は娯楽が少なかったから同じ映画を何度も見たが、今は繰り返し見ることはない。
同じ映画を何度も見るからこそ、ビデオテープやDVDで保存する必要があった。
一回しか見ない映画ばかりだと、ネット配信で十分だなって時代になった。
決して、映画の質が落ちて繰り返し鑑賞しなくなったわけではなかろう。
あくまでも、同じ物ばかり見るよりいろいろ見る方を選ぶ時代なんだと思う。
その、昔何度も見た映画の一つであるバック・トゥ・ザ・フューチャーを久しぶりに見た。
一気に3作見返したが面白い。
先に書いたことを覆したくなるほど、繰り返し見るに値する映画だと感じた。
まぁでもきっと、昔繰り返し見たからそう思うだけで、これからは繰り返し見ないよ。
でもホントに昔こんなに面白い映画を作ってたのに、今はダメだなと思ってしまった。
例えばCGが発達したせいで、CGを見せたくて余計なシーンが多いのかなとか思った。
あるいはコンプラが厳しくて、いちいち暴力を正当化する理由が回りくどいのかなと。
昔サクッとやっつけてた物が、なぜやっつける必要があるかやむを得ぬ事情を語るなど。
ホントに今の映画は2時間に引き延ばしたような物ばかりで、2時間に詰め込んでいない。
あ、バック・トゥ・ザ・フューチャーが詰め込みすぎかもしれないが。
次々に展開が変わりすぎて、じっくり見せない2時間を3部作でやってるもんな。
この頃は最初から複数回鑑賞を前提に作ってたわけで、目標が違うんだろうと思った。
1作目は今から35年も昔の物で過去にしか行かない。
が、数年後には2作目が出て30年後の未来に行くわけだ。
30年以上前に考えた30年後って事に、非常に感慨深い。
マーティーが未来で年取った自分を想像するような台詞を言うんだよ。
そのシーンを見た30年前のあたしは、ちょうど今の自分を想像してたんだよな。
まさかこんなクソみたいな人間が、よほどまともに生きてるとは思わなかった。
死んでるか殺してるか、どちらにしろ凄惨な人生しか考えてなかった。
そっちの人生の方が良かったかも知れないがな。
ともかく30年前に想像されてた30年後の世界は飛ぶ。
車もスケボーも飛ぶ。
服は自動でサイズが合い、ぬれたら乾く。
当時の誰でも想像できたような世界は来なかった。
これは人類が別に文明を発展させようとして発展してるわけじゃないからだ。
儲けようとして、新しいことを出し抜いていった結果、文明が発展している。
誰も想像できない物こそ、自分だけが儲けるチャンスがある。
自分だけで儲けようと、自分しか思いつかないことを積み重ねて未来が出来ていく。
だから、想像できるような未来ではない、奇抜な未来がこれからもやってくる。
飛ぶとか普通すぎる。
なんで今これ見ようと思ったか思い出せんが。