名もなき詩

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あたしは別に歌が上手くなかったし、そもそも歌に興味がなかったが、
去年急にうまく歌えそうな手応えを感じて、そこからあまりにも急にうまくなってる気がする。
12月のNHKのど自慢には、結局ハガキ審査で落とされたんだけど、出場に向けてと言うか、
出場さえできれば優勝は確実だってところを目指して、数ヶ月歌い込んだのはやはり尾崎豊。
あたしは尾崎豊に何の興味もないし、こっぱずかしくて歌詞とか特に大嫌いなんだけど、
15の夜を、まるで気持ちがこもっているかのように演じて歌うのが、最も人を楽しませると判断した。
うまいって言われたがるのは、うまいかどうかに自信がない人のレベルであって、
あたしは他人に言われるまでもなくうまいので、うまいと思われるための歌ではなく、
NHKののど自慢を好きで見るような人達の層を、最も喜ばせるだろう歌を選んだわけだ。
15の夜そのものが多くの人を喜ばせるのではなく、あたしの歌う15の夜なら尾崎ファンもそうじゃない人も、
昼飯を食う手を止めてでも聴きたくなるんじゃないかと思った。
あたしが歌わない15の夜は普通にNHK的には面白くないだろうし、
歌詞でバイク盗んだりたばこ吸ったりするわけで、この曲を選んだ時点でハガキで落とされる覚悟はしてた。
しかしそこさえ通れば番組を作る人に聴かせることが出来るわけで、
聴かせさえすれば誰が選んでも出場も優勝も確実だと、自信があってあえて15の夜を選んだ。
で、結局は歌を聴かれもせずにハガキで落とされたので、このパフォーマンスは誰にも披露してない。
自分でも飽きるほど一曲だけのしかも一番だけを歌いすぎたので、さすがにもう歌いたくない。
しかもこれはNHKのど自慢で歌うためだけのチョイスであり、好きでもない人の恥ずかしい歌に過ぎないし。

そして最近また別のを集中して歌ってて、自分でうますぎて感動してるのがミスチルの名もなき詩。
なんせ急にうまくなったからまだ自分のうまさに自分で慣れてなくて、自分で感動できるレベルなので、
これは誰を喜ばすためでもなく、自分を感動させるために歌っている。
しかしこの名もなき詩も、ミスチルが歌う分にはあたしの基準でつまらない曲としか感じない。
なんせあたしは歌詞の意味を全然聴いてなくて、歌をサウンドとしてのみ聴いてるから、
こんな、メロディアスなサビが短くて単調なAメロでグダグダといっぱい喋りたがる曲は、
気持ちよくなくていつもサビまで待てずにスキップボタンを押してしまう。
名もなき詩に限らず、ミスチルの有名な歌はたいがい聴いたことがあるが、
あたしにとってはそういう理由で、ほとんどがスキップしちゃうような曲ばかりだ。
自分が歌うのでなければ生涯、興味を持たなかったんだろうけど、
急にうまくなった自分の声を活かす曲を模索し、つまらないミスチルに辿り着いた。

以前は高音の方がうまかったあたしが、最近は低音がやたらとうまいので、
そのグダグダと歌詞を詰め込む長くてつまらないAメロが多いミスチルを、自分で歌って大満足。
高低のギャップをいきなり出してくる曲も多いので、その部分でも自分の声で大満足。
その中でも名もなき詩では、2番のサビのあとにいわゆる気持ちを込めやすい部分が出てくる。
もちろんあたしには込める気持ちなんてないが、込めてるかのように歌うのがうますぎて、
歌ってるんだか喋ってるんだか叫んでるんだかって感じの抑揚が出て、
テキトーにやってるのに出来上がった音は自分で感動させられるレベル。
そしてさらにその良い部分のあとにはスウィングしながらベラベラ早口で歌う部分があり、
これもただ速いだけじゃなくスウィングが入ってて、原曲と同じリズムが出せるようになってくると楽しい。
で、散々テンション上げて最後はまた得意の低音で締めるというちょうど良さ。
ミスチルではシーソーゲームやEverythingや帚星も自己満足出来てるんだが、
それらは元々嫌いな曲じゃなかったので、名もなき詩ほど特筆することはない。

正直、そのNHK出場を目指してた年末あたりに比べて、目標を失った今は少し下手になってる。
あの頃自然に出せてたエエ声が、今はちゃんと意識して力一杯歌ってるときしか出てない。
そんな、ちょっとレベルが落ちた状態でさえ、自分のうまさに感動する。
残念ながら、車内という防音空間で松崎しげるのように大音量で歌った場合だけうまいので、
この場でさっとタクレコしてアップって感じではない。
しかしいずれまた、子供が大きくなったらそういうことはやるかも知れないし、
その時は今度はうまいボーカル付きでやりたいと思ってる。

なんか、ドーピングで歌に使う筋肉まで強くなったのかな?とも。

B00005H060
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