逃せられない

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予想外に早く来た囲碁未来と、予想してなかった追試だけでも、正月に暇することはなかったが、
年末にAmazonから届いた書籍があるので、読む時間がなくて寝不足になってしまう。

「もっとひと目の詰碁」は、気に入った前作の続編だから買わないわけはない。
でも、詰碁はたくさん売ってるし、たくさん持ってるので、よっぽど良くないと本棚に眠ることになる。
よっぽど良いかどうかの個人的な基準はさんざん書いてきたが、どうやら全て満たしていたようだ。
黒番統一でない詰碁は中身がどれだけ良くても本棚行きだが、これは当然満たしている。
それどころか、生きの章と殺しの章に分かれていて、次々にひと目で解く際も混乱を生じない。
正解図は必ず上段に統一してあるから、注意深くならなくても次々に読んでいける。
難易度にばらつきがあると、自分の今やりたいちょうど良い問題は少なくなってしまうが、
この本ではよくぞこんなにも、同程度の簡単な問題ばかり揃えたなと言う事でも感心した。

もう一つ特筆すべきは、コウになる問題を排除したと言うことだ。
そもそもコウになる問題というのは、コウ以外の方法がないか全て検証する問題なわけで、
難しい問題をジックリ解くのであれば、あえてコウにする勉強も必要だろうが、
この詰碁集のテーマは、ひと目で解ける簡単な問題を次々にやる事だから、この配慮は正しいと思う。
最初に思い浮かんだ解決法がコウだとしたら、それは間違いだから、コウでない答えを探す事になる。

これほど配慮した詰碁集が本棚に眠るはずなどなく、前作を超える名著と言うことになる。
「もっとひと目の手筋」も発売されることを期待する。

さて、この本はAmazonで買ったので、送料のことを考えると、これ一冊だけの注文はもったいない。
今回、一緒に注文したのは進級シリーズ「序盤の感覚力」だ。
プッシュしている「七か条」とやらで、わからなかったことを説明してくれることに期待した。

しかし、その七か条は他の本でも何度も読んだ知ってる内容ばかりだった。
広いところからって話はさんざん言われるが、どこが広いかの判断が難しいんであって、知らない訳じゃない。
大場より急場ってのも知ってるが、急場かどうか判断する能力がない。
言葉で表現できるお話は既に全部理解できている。
言葉で表現しにくい部分をどうやって身につけるかが問題だが、この本でもやはり身についた気はしない。
でも、「布石のベスポジ」「ベスポジを探せ」「ひと目の布石」などを意味不明のまま読破して、
いつの間にか布石の問題でよく正解するようになってきたわけで、
言葉で表現できなくても、より多くの類似ケースを覚える事でなんとかなるんじゃなかろうか。
今回読んだ本も、知らぬ間に経験として残って行くものと期待しておこう。

この本で「逃せられない」という言葉が5回くらい出てくるのだが、なんて読むのだろうか。
ATOKでは「ノガセラレナイ」でも「ニガセラレナイ」でも変換できないし、再変換も効かない。
ググってみると結構使ってる人が多いようだが、変換できない時点で変だという事に気がつかないのか。
どこかの地方で良く使う方言なのだろうか。

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