[日記的なもの/囲碁/2007]

朽ちた依田ノート / 2007-09-07 (金)

依田ノートは白くて丈夫な良い紙を使っていて、その分ずっしり重いから、
カバーもそれなりに強い物を付けて欲しかった。
手の汗を吸いやすいのか、左手のあたる部分が擦れてボロボロになって遂に穴が空いた。
穴が空いた所より上の方も間もなくちぎれそうだし、別のヘリも下地が見えて崩壊寸前。
まだ読み終わっていないのに、もうあきらめてカバーは捨てることにした。

次々に囲碁の本を注文しているので、日課にするはずだった「ひと目の」シリーズ反復をサボり、
とりあえず依田ノートの読破を急いでいて、やっとこさ第三章まで終わった。
第三章までは布石の本だったのに、第四章は70ページほどの基本死活という構成。
基本死活のためだけにもう一冊買おうかと思っていた所だから、これで済むなら助かる。
詰碁じゃなくて基本死活なので、覚えちゃえば応用が利くだろう。
ということで、第四章は別の本であり、第三章までの依田ノートはどんな本だったのかと。

この本には「ご存じ」という言い回しが何度も出てくる。
ご存じのナントカ定石とか、ご存じのナントカ流とか、つまりはいろいろとご存じな方を対象とした本だ。
定石を暗記してもしょうがなく、最善の着手がたまたま定石と一致するだけだなどと書かれているが、
そりゃ定石を覚えた後で言えることであって、個人で最善手を探しても定石まで辿り着けるわけがない。
たとえ定石を知らなくても、研究すれば定石に近付く事ができる人が対象の本なら敷居が高すぎる。
そうではなく、定石を学んだ人が対象だとしても、やはり学んでないのでまだ理解できない。
定石通りに打つだけじゃダメですよというお話には、せめて定石通りに打てる人にならないとついて行けない。
基本のいろんな事を勉強した上で、基本から応用へとステップアップしたい人の本という感じがした。
一言で言えばまだ早かった。

今まで買った本にはなかった、依田ノートだけの特徴で、着手の意味を全て書いてある。
定石通りに10手くらい打ったこと示す図が掲載さている場合、
1でカカリ、2で受けて、3で飛び込んで、4で押さえて、などといちいち一言ずつ親切に書いてある。
その親切のおかげで、初心者が読んでもなぜそこに着手したのかだいたい分るのだが、
この調子で最後まで書かれているので、その冗長さに飽きてくる。
何か言いたいことがあっても、それを説明するための遠回りが冗長すぎて、
結論に到達する前に疲れちゃってどうでもよくなっちゃうんだよな。
ゴチャゴチャした所を丁寧に読んで、だから何?ってよく分らなかったりもする。
次々に本を買ってる今ではなく、一冊読むためにもうちょっと時間が取れる時にまた読み返したい。

読み始めた時は、また布石の本かと残念に思っていたのだが、
単に布石は石の数が少ないので説明に使いやすいだけで、書いてあることは布石に限った事ではなかった。
それに、第四章で基本死活を扱っている事をあわせると、これ一冊で全てを語る本を目指したようだ。
基本が出来る人を対象に、基本しかできない人に差を付ける内容が書かれた本だが、
基本も出来ない人には書かれてあることのレベルが高すぎて、頭で分っても実践できないと思う。
もちろん収穫は十分にあったのだが、せっかくなった実が台風でほとんど落ちちゃったような気分だ。

定石の暗記はよくないと言われるが、せめて暗記してないと理解できない本が多く、
実践のためにではなく、本を理解するための知識として、先に定石の暗記は必須だと感じている。

依田ノート―すぐに役立つ上達理論
依田ノート―すぐに役立つ上達理論
依田 紀基



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