黒人演歌歌手ジェロ
あたしはこのジェロの海雪がツボにはまった。
完全にほめる所ばかりではない所がなおよい。
しつこいほど、ジェロの魅力を嫁に説明したのだが、なかなか食いついてこない。
ジェロは大衆的だと思っているのだが、ひょっとしてマニアックなのか。
そもそもあたしは、演歌に出てくる女が大好きだ。
演歌の女は一つの恋に命がけで、ふられたら別の人を捜すという気が一切なく、
叶わぬ恋なら死んでしまおうという、物騒なヤバい女が多い。
ヤバい女を女性歌手が歌ってしまうと怖いけど、男性歌手が歌うとなぜか好きだ。
あたしはかつて「肉唄」とか「どでかロボ」とか、極端な楽曲を作って公開している。
http://www.muzie.co.jp/cgi-bin/artist.cgi?id=a001596
極端に作った時でさえ、死ぬかどうかっていう話はなるべく避けようという意識はあったわけで、
楽曲のメインテーマを死ぬかどうかにしちゃった海雪を聞いて、これは悪ふざけの曲だと直感した。
真面目に作った演歌ではなく、あたしと同じく、極端なナンチャッテ演歌の臭いを感じた。
よくテレビでは、豪華なスタッフが楽曲を作ったと言われてるが、それでこれかと、むしろ笑ってしまう。
そもそも演歌自体が笑えるジャンルで、豪華スタッフが真面目に作っても笑えるということかもね。
そのあたりが面白くて、海雪にいっそう惚れたのかもよ。
ジェロ本人がとても真面目そうで、地方で頭を下げて回ってるのを見ると、
そういうコツコツ挨拶する外人ってのに、日本人は大変弱く、コロっといっちゃうと思う。
単に外人だということではなく、外人なのに日本のチャラい若者よりよっぽど真面目そうな所がうけそう。
ただ、黒人であるという話題性であちこちで取り上げられた事はラッキーだが、
色物扱いされているというアンラッキーな事もある。
彼は演歌で生き残る人ではなく、一発屋になると思われていて、
一過性のブームには乗りたくない人達は、あえて彼の歌には興味を持たないだろう。
売る側も、今のうちに何でもやってしまえという、色物の売り方をしてて、とてももったいない。
そもそも世界の音楽は黒人のセンスで洗練されてきたわけで、
今こそ日本の演歌も、新たなステップの時かと思うとワクワクしてくるのだが、
一発屋で終わっちゃったら、ジェロだけじゃなく演歌というジャンル自体がもったいない。
そう思うと、もうしばらくジェロだジェロだと騒いでおきたい。