予想と実態の区別がついてない言葉
壊れかけのラジオなんて存在しない。
完全に鳴らなくなったら壊れたラジオ、調子が悪いだけなら壊れかけだと思われている。
違うよ、壊れたから調子が悪いんだ。
どう調子が悪いかによっては直す事も出来る。
直す事も出来る故障だ。
でも例えば、ネジが緩んでるだけなら壊れてはいないと表現する人もいる。
じゃぁ、ネジの緩みかけも壊れかけじゃないだろ。
壊れかけのラジオは歌の中で、これからもっと壊れて行くイメージを持たせた表現だ。
既に少し壊れてて、きっともっと壊れて行くだろうと、所有者が勝手に想像している。
存在しないラジオに所有者が今後の予想を盛ったら、壊れかけという言葉になった。
これと同様に、友達以上恋人未満は存在しない。
存在するのは恋人か恋人でないかのどっちかだ。
恋人未満は恋人ではない。
恋人ではないなら、友達以上だと表現しても単なる親しい友達だ。
セフレでもセックスする友達であり、友達以上ではない。
これもラジオと同じで、予想で恋人になるかも知れないと想像してるだけの友達だ。
恋人ではないくせに恋人になりたい人が、勝手に友達以上だと感じてるだけ。
フィクションでしか存在しない物に、我々はなかなか気がつかない。
いや、こうして詳しく状況を整理していけば、少し違った物は存在する。
壊れたラジオは存在し、騙し騙し使ってたら別の所も調子が悪くなるって事はある。
だんだん壊れてる箇所が増えてきたし、もうダメかなと言うラジオが存在する。
でもそれは壊れかけじゃなく、あちこち壊れたラジオだ。
まだ鳴るけど壊れたラジオだ。
壊れてないラジオと壊れたラジオは存在するが、壊れかけのラジオは存在しない。
恋人じゃないが恋人になりそうな人は、恋人になりそうだと予想してる本人の感想だ。
たとえ告られても、オーケーするまでは恋人未満で、オーケーしてない友達だ。
友達以上ではなく、告っちゃったのに即座のオーケーがなかった友達だ。
たとえ肉体関係があっても、恋人じゃないのに肉体関係がある友達だ。
「曖昧な関係は飽きたわ」の、曖昧な関係なんて存在しない。
恋人か恋人でないかの、はっきりした関係しか存在しない。
はっきりしないと感じているのは、恋人ではないことを認めていないからだ。
はっきりと恋人ではないくせに、友達以上だと勝手に妄想して曖昧だと嘆いている。
曖昧ではない物を自分の意志で曖昧にして、事実から目を背けている。
飽きたわって、自分が勝手に相手の了承なく友達以上であると認定し続けてるだけだが。
自分一人で恋人じゃないと納得するかどうかだけの問題だが。