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かつて、携帯端末がすごく安い時代があって、でもその安い分ってのは買った人ではなく全員の通話料でカバーしていたから、しょっちゅう携帯電話を買い換えてる人は端末代金で得をして、その得をあまり買い換えない人が知らず知らずのうちに立て替えていたという構図があった。でもこのシステムだと、安い携帯端末を大量に買って即解約、もしくは海外逃亡して、携帯端末が高額で取引されている別の国に売り払おうって事が横行する問題とかがあった。だのである時点から携帯端末は突然高額になり、それじゃ買えない人がいるからと言う事で2年ローンとか、そのローンをチャラにしてくれるような特約と解約金とかいろいろ出てきたので、本当の0円ではなく、特別な契約をすると実質0円になるよという時代に突入した。はずだった。何で今一括0円かつキャッシュバックあるのよ?
やっぱり、以前の体制でも機種変更を繰り返す人が得してた分だけ、機種変更しない人が肩代わりさせられていたという状態だったように、今はMNPでしょっちゅう変更してる人の分を、ずっと使い続けてる人が肩代わりしていると言わざるを得ない。いや別に気に入った機種を長く使うのは良いんだけど、その同じ機種を同じ日に同じ店で買っても、MNPの人は0円かつキャッシュバックがついて通話料金も差っ引かれるのに、MNPじゃない人は機種代金を2年ローンを払わなきゃいけないしキャッシュバックもないって事が起る。端末はともかく、回線の契約が2年更新だから2年ごとにMNPすれば、MNPしない人よりは儲かる仕組みだが、2年契約の違約金なんて1万円程度だから2年も待たないでもっと頻繁にどんどんMNPしてもいい。そのMNPの度に、違約金と転出と転入の手数料で1万5千円程度だから、それを上回るキャッシュバックがあるなら、MNPするほど客が儲かる。その上使い終えた端末を中古で売るとさらに儲かる。これを、普通の人は自分で使ってる1回線だけでやるけど、複数回線契約して全部MNPでしょっちゅう変更してたら、それだけで生活できそうなくらい儲かる。電話料金なんてゼロどころかマイナスの計算になるわけで、昔の端末だけ安い時代ですら電話料金は払ってたんだから、今はさらに酷い状態になった。
パチンコ屋スロットにはちゃんと勝ち方があって、それで生活することは十分可能なわけで、その職業で勝ってる人の分を、ギャンブルとして楽しんでいる人が損して養ってあげてる構図だ。でも、その養ってあげてる方にいる人にその自覚がなく、みんなトータルで負けてるはずだと思い込んでいる。負けて当り前、必勝法は存在しない、楽しんだ分の金は払う、そう思っている。携帯だって同じで、パソコンみたいに高性能な端末は何万円もして当り前、それが実質0になるんだから2年間やめられないのも仕方ない、インターネット出来るんだから毎月数千円払って当り前、よその人もみんなそれで満足してるはずだと信じている。でもその信じている携帯代金と電話代は、使いもしない回線をひとりでたくさん契約し、次々MNPしてキャッシュバックとスマホを貰っては換金して生活してる人を養ってる分が含まれてるんだよな。
もしこのMNP乞食体制が是正されて、みんなが平等に安く携帯を使えるようになれば、きっと誰でも回線は使い放題で2000円、誰でも端末はローンで月々1000円くらいっていう、平均化された状態になると思う。現時点でそうなってないことが特に問題視されてないわけで、しかもメールアドレスが捨てられない人が頑固に存在するわけで、これからもずーっとその体制が続きそう。MNP乞食が増えすぎると採算が合わなくなって破綻するかもしれないが、破綻しないためにMNP特典を少なくするのではなく、既存ユーザーに損させる方向で補填する気がするな。
別に回線をいっぱい使わないし、いっぱい契約しても管理が面倒だし、ヤフオクとかやったことないから売る気もないし、キャッシュバックはまだ来てないし、何が目的でやってるんだかよく分からなくなってるが、でも一応、少なくとも使わない回線を二つか三つ確保して、使う回線の他にMNP乞食を繰り返してたほうが何かといい事があるつもりでいる。少なくとも、あたしは現在のシステムで誰かを養う側にずっといたわけで、これから養って貰う側に移ろうとしてるという面白さはある。