医薬品の個人輸入

2284 letters | 922 views | コメントする

日本では処方箋が必要で一ヶ月一万円程かかるハゲの薬を、
ネットの通販で海外から買うと300日分数千円になり、10倍から30倍くらい安かったりする。
海外からと言っても、日本人向けの海外サイトなので全部日本語で書いてあって、
ただ単に荷物が国際便で届くと言うだけで、国内のサイトで通販するのと同じ感覚で誰でも買える。

もちろん海外製だから国内製品とは全く同じ品質ではないのだが、
まぁ既得権益で守られた甘えだらけの日本メーカー製よりは、圧倒的に信頼できるだろう。
日本製は国が安全を保証してるのに対し、海外製は保証してないと言って、国が脅しをかけているが、
保証してたら安全なのかというと、どうせお役所仕事でハンコをついてるかどうかの違いでしかない。
一応「医薬品副作用被害救済制度」という物があるらしいが、
制度があってもなくても副作用は起るし、起ったらなしに出来ないのは同じなわけで、
制度の存在が安全性に何ら影響する物ではない。
ただし、医者が処方したか、それとも処方されず素人判断で買ったかは、安全性に影響する。
ハゲ薬の場合、用量を守って飲んでる限り重大な副作用は起らないけれど、
早く髪を生やしたくて一気にたくさん飲む人がいたらマズいわけで、医者はその辺を指導するはずだ。
または、男性特有のハゲに対する薬なのに、女性のハゲや生まれつき薄い子供が飲むのもマズい。
素人判断だと、よそのハゲに効いたから自分のハゲにも効くだろうと、女子供も買ってしまうかもしれない。
そういう意味で危険ではあるし自己責任だが、薬の品質と国の保証は安全性に無関係と見て良い。

外国の薬自体が危ないわけではないので、違法な薬以外は輸入できるが、
素人判断で飲むのが危険な場合もあるので、処方箋がないと輸入できないことになっている。
処方箋があったとしても1ヶ月分に限られるので、ハゲ薬300日分まとめ買いは出来ないはず。
だのに、ネットショップではまとめ買いするほど安くなるように売ってるし、300日分問題なく家に届いた。
一応、日本に違法な薬を持ち込ませないために、荷物はレントゲンでチェックされていて、
郵便物がハゲ薬300日分だと言うことは一目瞭然のはずだ。
だったらそのチェックの時点で止められるわけだし、自宅に処方箋があるかの確認も来るはずだと思うが、
そういうことは一切無く、素通りで当たり前に配達されたと言うことは、これは許されたと考えて良いのか。
チェックがないわけはないので、チェックを受けてパスしたとしか受け止められない。

厚労省サイトを調べると、違法な薬については「輸入は禁止」とも「違反すると処罰」とも書いてあるが、
処方箋薬のまとめ買いについては「認められません」という表現に留まっている。
この表現の違いから、ハゲ薬のまとめ買いは禁止されてないし、処罰もされない事は確実だ。
ただ「認められない」だけだ。
それを他人に売ったりすることも、禁止ではなく認められないと表現されている。
要するに、この300日分のハゲ薬は認められてないだけで、好きにしたらいいものだ。
お役所仕事のハンコがない物を飲んでると言うだけで、だからって禁止でも違反でもない。
認められない物だから、場合によっては税関で止められるかも知れないが、
止められて送り返されたり没収されたりすることはあっても、処罰されるわけではない。

荷物は国内に入るとレントゲンチェックを受け、ハゲ薬300日分だとバレバレだが、
「認められない荷物」としてチェックをパスして配達されるのだ。
たぶん、悪質かどうかの判断で人間味が関与するはず。
これが300日分ではなく10年分だったりすると、どうせどこかに売りさばくんだろうと思われるんじゃなかろうか。

ハゲ薬を例にしたが、プロホルモンとかファットバーナーとか、米国のサプリメント購入も事情は全く同じ。
これらは認められてない荷物なので、悪質な場合は止められる可能性があるが、ほぼ届くんだろう。
チェックは必ずあって関税はキッチリいただくが、認められなくてもチェックをパスする事が出来る。
つまりね、日本は国民を本気で守る気がないから、自己判断での輸入は黙認で労力削減し、
その責任回避のために、認めてはいないから自己責任だと主張する。
そういう体質の国に安全と認められるかどうかなんて、逆に何の権威も感じない。
国産の薬は外国産より安全であるかのように錯覚させ、ハンコで利権を守る事だけが重要なんだよ。

そういう体質のおかげで、こうして日本からいろんな認められない薬を購入し、
自分の命を粗末にする実験が出来て、好奇心が満たせているんだが。

たぶん関連のある記事:

コメントは終了しています。