家事分担の話

2569 letters | 398 views | コメントする

 今朝、NHKで朝ドラのマッサンから情報番組のアサイチへと続けてちょっと見たんだけど、両方を関連しての話。まずマッサンと言うドラマでは、きよし師匠の演じる社長が主人公マッサンに、娘と結婚して会社の後継ぎになってくれることを望んでスコットランドに修行に出したんだけど、マッサンの方はそこまで考えてなくてスコットランドから嫁さんを連れて帰ってきた。その社長は、資金を出してスコットランドに修行に出すと言うことは当然、結婚も後継ぎも込みに決まってると思ってたから、いちいちそれも込みだとは言わなかったし、マッサンは言われなかったから伝わらなかった。人間同士のコミュニケーションでは、ついつい、常識だと思ってることは省略しがちになってしまい、相手にも自分と同じ常識を持つことを求めてしまう。その常識部分こそ実は一番大事なことだったりするせいで、本当は一番話しておかなければいけない部分を、一切話さずにすれ違うと言うことがあるみたい。



 そしてそれに続く情報番組のアサイチで、家事の分担割合の話をやってたんだけど、それをちょっとだけ見て、これもマッサンと一緒だなと思ったわ。いや夫の方は、結婚したら嫁さんが家事を多めにやるだろう事を想定して、別に結婚前にそんなことまで話さなくてもわかってくれてるだろうと思ってたんだよ。そして嫁さんの方も、結婚したって共働きだったら家事も分担するのが当たり前だと思って、いちいち話さなかったんだよ。いやホントに結婚前に、いやいや結婚前というか結婚するかどうかを決める前に、子供が出来たら家事が忙しくなるしどっちが何やるかちゃんと決めた上で、お互いに納得してさて結婚するかって事にはならないでしょ。本人同士は話し合ったつもりでいるんだけど、これがきよし師匠やマッサンと同じで、大事なことを具体的に話せてないんだよ。常識だと思って省略してる部分がある。

 まぁ女性はだいたい、仕事を続けるかどうかの話くらいするだろうし、仕事を続けると言うことは家事を専門的には出来ないから、分担するのも当たり前と言うことでいちいち話さずに、どの程度の何をやるかまでは具体的に決めずに、単に仕事を続けるかどうかだけの話をして、それで伝えたつもりでいる。男性もマッサンと同じで、ただ仕事を続けたいって言われたら続ければ良いじゃんってだけ思って、女性が仕事を続けた分、自分が家事の分担をするんだというところまで深読みしてない。それどころか、男性側は女性側に対して、家事もこなして仕事もするなんてがんばるなぁと決めつけて、そうするんでしょと聞き返してもいない。まさに、会社とは完全に他人のマッサンに大金を投資して留学させる社長は偉いなぁとだけおもって、他人でなく後継ぎにしたいんだろうとまで考えてないんだわ。言わなくてもわかって当然でしょと、きよし師匠も思ってるわけだ。

 その状態で結婚して、女性は「え、私だけこんなに?」って思うし、男性だって「え、俺もこんなに?」って思うわけよ。多くやってる女性の不満だけ取り上げてるけど、不満という感情は現実と理想のギャップで生じるものであり、男性だってやらなくて当然だと思い込んでた物がやらなきゃいけなくなって不満だろうよ。だから詰まるところ、やらないのが悪いとか、やらせるのが悪いとかの話じゃなくて、お互いに常識だと思って省略してしまったという落ち度を、両方が抱えちゃったわけなんだよ。これはどっちも悪いので、相手だけをどうしろと不満を言うのは自分のことを棚に上げている。ゆったつもりのきよし師匠と一緒。じゃあきよし師匠はどうすれば良いのかってのが、その家事分担の答えでもある。きよし師匠の正解は二つしかなく、言ったつもりで言わなかった師匠が悪いと言うことで師匠が諦めるか、言ったつもりで言わなかったことをお詫びしてなんとかお願いして後出しを認めて貰うかだ。言ってないのに言ったんだと強引に上から目線で怒りをぶつけたりするのが間違いなのは明白だ。これが、家事分担で間違いを生じさせてしまった夫婦の両方に対する解決法。でもたいがい、この二つの正解ではなく一つの間違いの方を選択するんだろうな。お互いにきよし師匠で、自分はこういうつもりだったんだという自我のぶつけ合いで、相手の立場の尊重なし。それが人間。

 そしてさらに言えば、その主婦層が見る時間帯のテレビは、家事を分担して当たり前という風潮で流しすぎてるから、当たり前だと思いすぎていちいち言う必要ないと思い込んじゃうんだよな。完全に家事をしない夫は悪者扱いなんだから、まさか自分の結婚する相手が悪者の一人だとは思ってないんだよ。でも現実は悪者だらけだっていうデータも出してるんだよね。それでも、いちいち言わなくてもやってくれる夫だと思い込んで言わないまま結婚するんだよね。偏った情報を得て当たり前だと思ってることを、相手もまた別の偏った情報を得てるに違いないのに押しつけあうんだよな。常識だと思ってな。

 ドラマのマッサンを見ると、酒のことばかり考えてて、いちいち言わなくてもわかるタイプの人間じゃないよな。このマッサンにならいちいち言わなかった方が悪いと思っちゃう。想像力の欠如したマッサンに、想像力を働かせなかった怒りは起こらないし、きよし師匠の方が諦めるべきだとみんな思う。でも、自分の結婚相手に対しては、言わなくてもわかる想像力を求め、想像力がないと怒りを持つというのは、あまりにも高望みしすぎだろう。マッサンと同じで、言われたことしか伝わらないのは残念だけど、他に良いところもあるんだよって事で良いじゃない。これからも、言ったことしか伝わらないし、だったら大事なことをなるべく具体的に話そうという自己解決が求められる。言わずにわかれよってのは、言わずにわかる相手を捕まえなきゃいけなかったのであり、言わなきゃわからないけど他に良いところがあって結婚したんなら、言わなきゃわからないと言うところは諦めるしかない。きよし師匠も諦めるしかないし、それはみんな諦めるしかない。言わなきゃわからないのも、言わなくてもわかって欲しいのも人間だから。

たぶん関連のある記事:

コメントは終了しています。