たぶんよその人より生活保護受給者と接する機会は多い方だ。不動産屋には生活保護をこれから受けるにあたってアパートを探しているっていう人が結構来る。でも残念ながら、弘前では生活保護受給者を入居させるアパートは圧倒的に少ない。彼らは生活保護であってもお金さえ払えば好きなところに入居できるつもりでいるし、弘前市が保証人みたいなもんだという意識で堂々とやってくる。ところが、まぁこれは差別になっちゃうんだけど、アパートのオーナーは生活保護受給者を入居させたがらない。と言うのも、例えば頭がおかしいせいで生活保護を貰う人ってのがいるせいで、生活保護の人を入居させたら火事を出したとか、生活保護の入居者が毎日救急車を呼んで困ったとかという件が多数存在する。だから、別に頭がおかしくなくても生活保護受給者だってだけで、入居を断る場合も出てくるわけだ。だって、生活保護受給者に、個別にあなたは頭おかしくないですか？って聞けないでしょ。頭が大丈夫でも、体が悪くて死にかけて働けない人も来るし、アパートで死なれたくないでしょ。頭が悪い人も入居させたくないし、体が悪い人も入居させたくないし、あと、一見して頭も体も大丈夫だけど、家族と仲良くやれない人が家族に見捨てられて一人で暮らすにあたって生活保護っていうパターンもあって、家族と仲良く出来ない人が他入居者と仲良くやれるわけもなく、やっぱり入居させたくない。たった一人の生活保護受給者を入居させることで、他の入居者が全員立ち退くかも知れないリスクがあるわけで、そういう人を入居させなくても経営が成り立ってるアパートは基本的に入居させていない。だから、生活保護とは言え金はあるんだぜって言うつもりで不動産屋に訪れて、ボロボロの古アパートぐらいしか貸せませんよって言われてガッカリして帰る人がいっぱいいる。それでも貸せるタイプの人ならまだしも、一目見て生活保護の理由が分かる感じだと、貸せる物件はありませんって事になるからもっとガッカリするだろう。ブチ切れる人もいるし、本人に変わって家族がブチ切れる人もいる。まぁ、ブチ切れる人だと健常者でも入居はお断りなんだけど。民間の商売でやってる賃貸住宅ではリスクが高すぎて、なかなか入居させられないので、公営住宅が優先的に世話して欲しい。もちろん、不正に受給してる人もバリバリくるし、そういうズルしてる人はズルして家賃も払わないように企てる人ばかりなので、やっぱり入居させたくない。

　でも受給者ってのは本当にかわいそうな立場なんだよな。このように不動産屋にも嫌がられて、身内はいないか見捨てられてるかしてるわけだ。財産もなく仕事にも就けず、金だけ貰ったって何が楽しくて生きるんだっていう状況だと思うよ。パチンコ代ぐらいは出てても大目に見てやりたい。貧しくても貧しさに耐える張り合いがあれば人生は楽しいかも知れないが、そういうのはたぶんないから、ホントにただ生きてるだけ、というより死を待つだけ、いや、死ねないから仕方なくお金を貰ってるような感じだと思うんだよ。こういう人を税金で助けてあげるべきだ。問題なのは、かわいそうな人が増えたらかわいそうじゃない人の負担が増えることだよな。誰が支えるの？つーか普通の人はかわいそうな人を支えたいか？少しでも多く税金を納めて、一人でも多くのかわいそうな人の力になりたいか？節税？とか当り前に言ってるくらいだから、かわいそうな人を自分以外の人が支えれば良いと思うのが普通だよな。支えたい気持ちはあるけど自分事だと何も出したくない。震災に募金はするけど身近なかわいそうな他人に何もしてやれない。それがだいたい普通の人間。性善説じゃなくて普通の人間を想定した国作りってのが必要で、誰がどれだけ負担して、どれだけかわいそうな人を救うか調節しなきゃいけない。

　個人的には、かわいそうな人がかわいそうじゃなくなるほどに助けてあげたいけれども、そこまでするほど国は潤っていない。かわいそうな人はかわいそうなまま、死なない程度のみじめな生活をやっと続けられるぐらいしか助けてあげないくらいでちょうど良いかもしれない。生活保護を受ければ死ぬことだけは回避出来るが、空腹で楽しみもなく医者にもなかなか行けず早めに死にそうだよって状況がギリギリか。本当に生きるための最後の砦、死ぬかみじめに生きるか選ぶぐらいの生活保護だったら、誰も制度に文句は言わないと思う。でもな、憲法の基本的人権が邪魔なんだよな。一部の人の基本的人権は守れても、全員の基本的人権は守れない経済状況なわけで、ホントに憲法自体が無理言ってる。アレはあくまで努力目標って事にしたら良いと思う。憲法って呼ぶのをやめて、理想とか、夢とか呼ぼうよ。そして、いつでも必要なら改正するなり無視するなりして、時代に合った国作りをしていったら良い。憲法のせいで国民が不利益を被るくらいなら無くしちゃった方がいい。