放射能差別について

2692 letters | 630 views | コメントする

バイオハザードで、ゾンビに襲われた人を助けたら今度はそいつが人を襲うというシーンがある。
また、昔の医者が患者から伝染病を貰って死ぬなんて話もいっぱい聞かされてる。
家畜の病気を蔓延させないために殺処分するとかもよくある話だ。
世間では、伝染しないとわかっているものなんてごくわずかだからこそ、
知らない病気の話を聞くとまずそれが伝染するかどうかを聞くのが自然だ。
エイズは日常生活では伝染しないと徹底的に報道されて、ようやくエイズの人とハグ出来るようになった。
しかし、被爆は伝染しないという報道が全くない現状では、恐怖だけが先行し、
放射能に関する知識があまりない一般人は、放射能から逃げてきた人をかくまったりして、
今すぐじゃなくても将来的に自分にも放射能の害が及ぶかも知れないと、心配するのは無理もない。



どこぞの自治体が、放射能の検査をしないと転入を認めないとか、
福島から転向した子供がいじめられたとか言う報道があり、かならず、これは差別だって言われてるけど、
これって差別の範疇ではなく、人間として最も健全な防衛じゃないかと思うんだよ。
絶対あってはならないって古館が言ってたんだけど、あってはならないのはこれじゃないだろ。
黒人差別は、黒人が病気で黒いわけではなく、触れても伝染しないとわかってる人が、
わざと伝染するかのように黒人を遠ざけるから、あってはならない差別だけれども、
本当に伝染するかも知れないと思ってる人は、黒くなるのは相当の恐怖なわけで、
逃げて当たり前だし、追い払って当たり前で、怖がってる人にあってはならないとか言うのはおかしい。
少なくとも今、野菜が安全かどうか、水が安全かどうかに関しては、結構報道があるけれども、
逃げてきた人に触れても安全かどうかは、専門家にとっては当たり前すぎて言わないので、
逆に専門家じゃない人はどこまで安全なのかを全く理解してない。
たとえば逃げてきた人に開放してる銭湯に入るのかとか、デリヘルが避難者だったら相手するのかとか、
即座に大丈夫だとわかる人はやっぱり少ないはずだ。

だとすると自治体としては、たとえそこのエライ人が放射能は伝染しないとわかっていても、
知識のない住民が不安がったり反発したりする事も考慮し、受け入れを拒否してもおかしくないし、
さすがに拒否しちゃうとそれもまたマズい事になるから、一応検査してくださいって言うのがベストだと思う。
もちろん、住民に対して放射能は伝染しないと言う事を説明しなきゃいけないのは筋だけれども、
説明してすぐわかる人とそうでない人がいるんだから、この方法は緊急時はベストではない。
つーわけで、とりあえず無駄でも検査して安全だと証明されれば、
いくらバカでも○か×かは理解出来るので、この人は○ですってハッキリわからせるという意味で、
よくわからない放射能の科学的な話で、○だか×だかわからなくなるより、よっぽど安心に違いない。
だからこの対応に関してはそんなに悪い事じゃないと思うんだよ。
これは自治体による差別というより、差別を回避するための方法の一つと思って良いんじゃないか。
子供だって、そもそも放射能がなんなのかさえわかってなければ、うつるとか言うのは当然であって、
うつらないのにうつるといって意地悪すればイジメだけれども、
大人でさえほとんど知られてない事を子供が知ってるわけもなく、
本当に伝染するかもしれないと思ってそう言った可能性が低くない。
危ないか危なくないかわからないものは、とりあえず危ないと判断するのはよい子であり、
昨今では想定外の危機も想定しろと言われるが、わからないことに対して最悪の想定をしただけだ。

エイズが多い国では、子供の頃からエイズは日常生活で伝染しないと教育してるが、
今、日本では子供達に放射能は伝染しないと、徹底的に教育しなきゃいけなくなった。
とは言ってもそれを教育するべき側も、公衆浴場やセックスも大丈夫かまではわかってない。
わかってなきゃ怖がるのは人間の健全な反応だから、それを責めてもしょうがない。
ただ単に、避難者を汚い物みたいに扱うなっていう報道をしたところで、
自分にも害が及ぶかも知れないと思うと、どうしてもそれを意識しないってのは無理なので、
なんの根拠があって、避難者は汚くないのかっていう最も重要なポイントである、
放射能は伝染しないという当たり前すぎる情報を、しつこいほど言いまくる必要がある。

あたしは、手塚治虫の三ツ目がとおるというマンガに登場した、放射能に汚染されたキャラが、
主人公やヒロインと一緒に洞窟を探検するシーンを見て、一緒にいて大丈夫なのか?と思った事がある。
多少高度な教育を受けて、放射性同位体に関しても、生物化学に関しても知識があるあたしでも、
放射能が人から人へと伝染するかどうかは考えた事がなかったので、伝染するかも知れないとは思った。
ましてや、放射線と放射能の違いから説明しなきゃいけない一般人には、
よっぽど常識として大丈夫だと言ってすり込まなければ、そりゃ急には福島の人と肌を合わせられないさ。
伝染するかどうかすら考えた事がない人は、いま初めて伝染するかどうかに興味を持ったわけで、
興味を持っても教育を受けてない人にはわからないので、わからないと○も×も想定して当然で、
古館ごときにそんなにケチョンケチョンに非難されるほど間違った事じゃない。
避難させる前に、人から伝染することはないよって言いまくって避難先を安心させれば良かったんだ。

たぶん関連のある記事:

コメントは終了しています。