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2007年 11月 30日 のアーカイブ
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パチリコのサイトをまだどんどん読んでいる所だが、この人はかなりの年配なんだね。
囲碁の五段よりも指導方法の研究よりも、とにかくサイトを作ってる事がすごいっていう年齢だ。
それほどのベテラン指導者の目から、初心者をどういう風にみているのか、大変参考になるし、
同意できない点もたくさんあるが、その通りだとうなずける点もやはりたくさんある。

定石を教えないとか、19路盤は有段者からでいいという考えは、本当にその通りだと思う。
本来、ルールしか知らない同士が対戦すれば、オセロと同じで誰でも楽しめる囲碁なのに、
誰かが必勝パターンを持ち込むことで、ほかの人も必勝パターンを覚えないとバランスが崩れる。
定石は10手以上先が読める達人が編み出した最善の着手なんだから、
3手しか読めない同士の対戦に、それを暗記して持ち込むのは卑怯だ。
弱い人がこっそりコンピューターに答えを教わってるようなもので、あきらかにずるい反則の裏技だ。
暗記だけで出来る簡単なドーピングだ。
でも、よその人がみんなズルしてたら、自分もズルしないと勝てないから、
勝つための指導をするとなると、やっぱり定石を指導するしかなくなるわけで、
それが面白くないとか難しいとかで、多くの人が挫折しているというのは、実際そうだと思う。

あたしとしても、最初は9路でも広すぎてわけわからなかったし、
わけわからないから囲碁は楽しくならなかったし、囲碁は楽しくないけど勉強は好きなので、
とりあえず段の免状を目指して勉強しようと言うモチベーションで、ここまで続けてきた。
段を取るには、紙上認定でも19路の布石を勉強しないと解けない問題があるし、
19路の布石を勉強するなら定石を覚えないと理解できない問題が出てくる。
詰碁は5手くらいの簡単な物を出題しておきながら、
布石は10手以上読めるか裏技を暗記してないと解けない物を出題するので、
自分の読みの能力を超えた問題を解くためには、やはり丸暗記が必要になる。
だから、試験合格のための勉強として、布石も定石も何冊も本を買って勉強した。
しかし、勉強としては面白くても、ゲームとして面白いという所までは到達できなかったから、
やはり、実戦はずーっとやってないし、やるために時間を作ろうという気も起きない。

今、囲碁未来の問題くらいなら、これ以上勉強を続けなくても初段になれそうだという所まできて、
目標を失ったことで勉強のモチベーションが下がり、もう定石とか布石とかどうでも良くなった。
そんなものは、19路盤で対戦しなければ覚えなくて良いわけで、対戦が面白い人だけがやればいい。
今なら読めるかなと思って、依田ノートをもう一度開いてみたが、全く面白くない。

ただ、詰碁だけはそれ自体を楽しむ事ができるから、まだ続いているという感じだ。
もう試験のために19路盤を勉強しなくても良いので、詰碁を中心に読みのトレーニングだけをして、
もし、定石を覚えなくても最善手に到達できるまで続けることが出来たら、
その時にようやく19路盤で遊べばいいと思っている。
ゲームとしてはもっと狭い盤の方が楽しめそうな気がした。

詰碁は自分で実感できるほどに上達している。
読みの力がついたので、○×の三目並べを頭の中だけで分析出来るようになった。
ちょうど嫁が、三目並べに自信があるというので、勝負してみた。
勝負といっても普通にやれば、一手目は真ん中、二手目は隅、結果は引き分けが相場になる。
これをわざと一手目で隅に置き、相手に真ん中を取らせるハメ手を使って、まんまと嫁に勝った。
鍛えた読みが囲碁以外で能力を発揮した。