有罪はわかってた

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見せしめで逮捕してるのに無罪に出来るわけなかろうが!
何の罪でどう悪いのかはもう全く関係なしで、ともかく結果として黒に分類しなきゃダメなんだ。
話題性のある人を黒にしちゃえば、その他多数の人がおとなしくなるし、
それで秩序が保たれるなら、法より都合を優先しても日本だからアリだよ。
あんまりまじめに法治国家やってる国ほど、法で裁けない危険な奴らが蔓延してるだろ。
だから日本は、たとえ法律を守っていても都合によっては逮捕される国でいいんだよ。
アップロードしてなくてもWinnyを使ってたら逮捕されるかも知れない国の方が、
安心してソフトウェアで商売できて、日本全体のメリットにもなるという判断でいいんだ。
しかしそれは紛れもない嘘裁判であり、必要な嘘だからあたしは支持するというだけだ。

ところでWinnyの裁判話は、Winnyの開発宣言の所までしか遡らない。
その前の時点でどうだったかという話とかも考慮すべきだと思う。

あたしの知ってる一番古い時代、違法コピーはそれぞれのホームページで行われていた。
Google登場前だったので検索エンジンがダメダメで、隠れてやってればバレないし、
何より、サーバーに負担をかけるよう大きい物は少ない時代だった。
PC用ソフトはISDN回線でも楽に落とせるサイズだったし、
エミュレータのロムはやりたい物しか落とさない人ばっかりで、
現在のようないわゆるコレクター的にむやみに落とす人がいなかった。
音楽だってMP3に圧縮されたものでみんな我慢していた。
この方法を衰退させたのは、やはりファイルサイズの増加が最も大きな要因で、
巨大ファイルをサーバーにアップロードしておく事が難しくなってしまった。

革命的だったのはWinMxの登場で、ホームページ不要で巨大なファイルをやりとりできた。
よく交換という言葉で言われるが、本当は交換ではなく共有するソフトだったのだが、
プラグイン的な物で制御することにより、ファイルは等価交換するのが常識となった。
よその人が持ってる違法コピーを入手するには、自分も違法コピーを差し出す。
このシステムだと誰が犯罪を行っているのかを直接確認することができるため、
警察に犯罪の現場を押さえられて普通に逮捕されたりしていた。
たくさん犯罪者がいるのに、よその人が何人か逮捕されたぐらいじゃ、
おそらく自分だけは大丈夫だろうと楽観し、犯罪をやめない人もたくさんいたし、
もっと安全なシステムを別の通信ソフトに求める人もたくさんいた。
MXの次はなんだというディスカッションが某所で盛んに行われていた。

その状況でのWinny開発宣言で、MXの次だからNYというシャレで名づけられた。
MXと最も違っている点は、完全に共有ソフトになり、交換が出来なくなっている点。
交換が出来ないことにより、警察が犯罪者を特定できなくなった。
開発時点で最も重視したのは、逮捕されないための匿名性であり、
はじめから犯罪の温床にするための機能はメインで盛り込まれていたのだ。
MXだと逮捕されるかも知れないが、NYなら逮捕されないというシステムができあがった。

結構簡単に違法なコピーをやりとりできるので、雑誌で「悪用禁止」と書かれて紹介される。
いずれそれは「悪用しましょう」に変わる。
タダで何でも手に入る、そのやり方が書かれてある本しか、PC系雑誌は売れなくなる。
一般向け雑誌がこぞって犯罪を推奨するから、やって当たり前の風潮ができあがる。

そして、どんな技術で追跡したかは知らないが、NYでも犯罪者を特定出来るようになり、
ついでに、それまで匿名で開発をしてきた作者も特定し、逮捕に至った。
技術を発明しただけで儲けなしの人が逮捕され、技術の悪用方法で儲けた雑誌は無傷だ。
納得いかないが。

雑誌を潰したら大変だし、作者一人逮捕でこれほど世の中騒がせるんだから、
みせしめとしてやるには一番いい方法だったよな。
日本は法より国益優先だから気をつけような。

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