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2013年 8月 12日 のアーカイブ
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 スーパーで買う事ができる肉の種類も増えてきて、最近あまり肉だけを買いに肉屋に行くなんて事もなくなっている。ただ、外で炭をおこして肉を焼くって事を想定すると、昔から行きつけの肉屋に行ってスーパーにはないハイレベルな肉を買ってくることになる。特に重要なのは牛ホルモンで、肉の初心者は豚のホルモンも牛のホルモンも区別出来なかったりするけれど、好きな人はこれは全く別の食い物として認識していて、スーパーにたくさんある豚ホルモンや味付けで誤魔化された低品質の牛ホルモンではなく、本来なら焼き肉屋に行かなきゃ食えないレベルの牛ホルモンを家で焼きたい場合は、やっぱりそういう肉を売っている店で買うしかない。さいわいにも炭をおこして肉を焼く機会ってのはたいがい、親戚なり友達なりで集まってやることになるので、その中の誰かが肉好きで、自分の好きな肉を行きつけの肉屋から買ってきたりなんかする。で、その肉を食いながらどこの肉屋がうまいとかって言う話に必ずなる。そういう情報交換によって、肉屋は立地の悪さをものともしないクチコミによる集客を見込むことになる。

 あたしにも行きつけの肉屋というのがあって、何年か前に店をリニューアルするくらいに元々売れている店だった。でも売れていると言ってもその肉屋から半径1㎞以内は田んぼと民家しかないような田舎で、知る人ぞ知るような場所だから知る人しか来てなくて、混んでると言ってもせいぜい3人くらい待つような状態だった。肉屋が3人も待ってれば上出来だろう。それで店がリニューアルするんだからたいしたもんだよ。その近所に何かついでがあっていくような場所ではないし、通りすがったら肉屋だったという場所でもないから、完全にそこに肉を求めてわざわざ行く人達だけなんだよ。その、3人程度で売れてるよなぁって感じてた店に数ヶ月ぶりに行ったら、20人ほど並んでてビックリした。もはや、注文を受ける担当と精算をする担当で完全に別れていて、まずは注文をして名前を言って、自分の名前が呼ばれるまで待って精算してくるというスタイルになっていた。しかしその注文の段階でどこが最後尾かわからなくて、どの辺が注文待ちでどの辺が呼ばれるの待ちなのか意味わからない状態になっていた。あれはもう銀行みたいに整理券を取らせなきゃ無理じゃねーかってほどになってた。

 自分が好きでわざわざ行くくらいの店なんだから、よその人だって行って当然なわけだし、あたしは近所でもなんでもないんだから、よその人だって遠くからわざわざ来るよ。ファミレスとかは混んでたら子供が待ちきれないだろうから行きたくないんだけど、肉屋は子供を連れて行くわけじゃないし待ってる間に腹が減ってるわけでもない。駐車場も広いから混んでて駐められないという事もないし、この肉屋に関しては混んでいるという理由で避けるほどの理由には一切ならない。だから別にいいんだけど、その肉屋がそんなに混雑するって事は、スーパーの肉はまだまだだって事だし、街中のもっと行きやすい肉屋とかもあるのにまだまだだって事なんだよ。別に肉屋の近くに牧場があるわけでもないんだから、店を構える場所としてそこが優れているというわけでもない。単に実家なんだろう。そういう店が混雑してやっていけてる事は別に喜ばしいことではあるけれども、それ以上に他の店はもっとがんばって欲しい。街中の便利な場所で同じような肉が手に入ればわざわざあっちまで行かないだろうに。あたしとしてもそこがオンリーワンなので、第2の候補がないんだよね。きっとよその人もそこしかいい肉を買えないと思ってるからわざわざそこなんだよね。