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2007年 3月 19日 のアーカイブ
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当たればいい占いだとかいう話ではない。
どうせ嘘だから、その嘘の中から良い嘘と悪い嘘に分けるまでもないが、
世の中には必要な嘘、嘘とは言い切れない嘘、害になる嘘もあると言うことで。

例えばオデコの真ん中にホクロがある人に対して、あなたは出世しますよという話をしたとする。
出世する能力のある人はオデコにホクロが出来やすいなどと言う因果関係は知られていない。
これを言い出した人が誰で、どれほどの統計を取ったかは知らないが、
おそらくオデコにホクロのある人ほど、そうでない人より出世したという数字を持っていたのだろう。
だので、たとえオデコにホクロがあっても、出世する人と出世しない人がいるけれども、
統計上、出世する人の方が多いですねというのは、占いじゃなくデータの話になる。
しかしこれを占いだと言ってしまうと、出世したら当たったと喜び、そうでなきゃはずれたとか言い出す。
いや当たり外れじゃなくて、そういう人が多かったっていうデータを紹介しただけで、
とあるホクロのある人が実際に出世するかどうかは本人次第だっての。

占い師はまるで、何か特別な能力によって将来を知り得る事を期待されるのだが、
それって占い師じゃなくて予知能力者の仕事でしょ。
予知能力を信じてるなら論外だが、信じてないなら占いにも予知を求めるのも間違いだ。
たまたま過去の例を多くサンプリングし、出世した人の共通点を見つけただけで、
それも全員が従ってるわけでもないので、自分が多数派に入るか少数派に入るかは自分で決めろ。
また、この年に生まれた人は何歳で死にやすいから気をつけろって言われた場合も、
当たったとか当たらなかったの話は関係なく、死ぬ人が多いなら死なないよう気をつけろ。
データ重視の占いなら参考にするのにちょうど良いじゃないか。

細木数子が本当に莫大な人数の統計を取って六星占術を作ったかどうかは怪しいけれど、
一応、いつ生まれた人はどんな性格だと、統計上で分類している。
自分と同じ分類の人にどういう人が多いかっていう話について、当たるかどうかは何の意味もない。
どういう部分は当たってるとか、どういう部分は当たってないとか、そりゃ共通点もそうでない点もあるさ。
過去の例にズバリ当てはまった人なら、その後どうすれば成功するかも過去の例から割り出せるが、
あくまで過去の話なので、これからの将来にも通用するとは限らない。
自分が細木数子の持ってるデータにピッタリ当てはまるなら、
将来どうすればいいのかも細木数子に聞いた方が、無視して生きるよりは確実性が高い。
だが、自分がズバリ当てられたからって、友達も細木数子にズバリ当てられるとは限らない。
統計には、全然当てはまらない人だっているので、そういう人は参考にしても意味がない。
細木数子が当たるか当たらないかではなく、自分が細木数子の統計に当てはまるかどうかなのだ。
あのオバチャンは未来を知っているのではなく、過去の統計から未来を予想してるだけで、
今までの例で行けばこうなる、今まで通りとは限らない、でも気をつけるべきことはわかる。
こういったタイプの占いであれば、例え統計が嘘であっても容認したい。

しかし、タロットなどで占うのはいかがな物か。
タロットでこんなカードが出た後はこんな事が起こりやすい、なんて統計として成立していない。
それどころか、人間に知り得ないことをタロットで知り得るという点が超能力にすぎない。
占いではなく予知能力を期待した、バカと詐欺師のやりとりに他ならない。
偶然でたカードに基づいて適当につじつまあわせて作り話をするのは無責任すぎる。
統計と違った展開が起こっても自己責任だが、予知能力と違った展開はただの嘘だ。
「将来がわかるならこれを予想してみろ」的な話こそ、タロット超能力者とすべきで、
占い師の回答は「そんなのわからない」で許されるが、予知能力は外したら嘘つきになる。
まぁ、嘘つきにならないよう、すべての人に対して当たりになるような予知を発言して成立するのだが。
肝心な部分は誤魔化し、信憑性のないアドバイスを垂れ流す人は死ねばいいのに。

と、タロット占いで小遣い稼いできたウチの嫁に言ってやりたい。
あの、し、し、しねばその、だれがこどもの、いえ、なんでもない。