連日ソチオリンピックの番組ばっかりやってるが、あたしは興味がないのでうんざりしている。競技自体を放映するのはまだしも、メダリストの人となりを紹介したり、地元の応援してる人を写したり、エピソード、ヒストリー、昔の作文、今の気持ち、ってなのを繰り返し繰り返しやってるようで、すごくどうでも良いと感じてるんだよ。でもそれをやることによって選手に愛着が湧くんだよな。競技を知らない人でも選手を好きになり、ついつい応援しちゃうんだよね。フィギュアのルールは知らないけど浅田真央は知ってるし、何メダルになるのかはみんな気にしてる。気にはしているけど、見てもどの辺で何点稼いでるのかは全くわからなくて、偉い人の出した結果待ちをする。あえて言うなら転んだら負けってくらいならわかる。でも転んでも勝った人いるし。速く走った方が勝ちとか遠く飛んだら勝ちってのはわかりやすいけど、フィギュアは何がすごいか誰もわからないまま応援してるんだよ。わからなくても応援するのは、そのエピソード部分を一生懸命紹介してお馴染みの選手に仕立て上げてるからでしょ。浅田真央とキムヨナの何が違って点数がつくのかよくわからないけどがんばれってな。これってノーベル賞の人も一緒で、研究内容を紹介しても誰も意味わからないから人柄を紹介するわけでしょ。なんやわからんけど知ってる人がんばれってことだね。

　その、ソチオリンピックで勝った人にいろいろコメントを求めるわけだ。するとだいたい、支えてくれた人への感謝とかを言うんだよ。いや日本人だけな。そこが今日の話のポイントで、西洋人は神への感謝を言うんだよ。あと共産主義国はお国のためって言うし。オリンピックだけじゃなくて、西洋人は本当になにか発言を求められればとにかく神だ神だって言ってるんだよ。神が褒美をくれただの、神に願いが通じただの、嬉しいことはみんな神の仕業にしてるし、悲しいことがあっても神を引き合いにして勇気づけてるわ。しまいにゃ羽生さんまで、英語で話してるときはオーマイガとか言ってるし。羽生さんは日本語で話すとき人間に感謝してるじゃん。そんなに普段から神のことばかり思ってるのかと。逆に西洋人から見たら、日本人はそんなにいつも人に感謝してるのかって思ってるだろうさ。

　その外人から見た日本人として考えてみて、確かに人に感謝するのは当たり前だけど、そんな普段から感謝の話ばかりはしないわ。例えばフィギュアの人だったらジャンプがどうのとか選曲がどうのとか衣装がどうのとか、いろいろ考える方が圧倒的に多くてなかなか人に感謝してる暇もないだろう。いろいろ終わってほっとしてとりあえず人に感謝だろう。そしてあと何言おうかって時、テレビで言えることって限られてると思うんだ。忙しくて性欲をほったらかしにしてたからとりあえず抜きたいですとか、そっちが本心の人もいると思う。そこまで極端じゃなくても、知らない人からメール増えたとか、疲れてるのにフラッシュたくなとか、ネガティブなコメントもいろいろあると思うけど、だからこそそのネガティブなコメントを排除して、言える無難なコメントを選ぶと、日本人は人に感謝しておくのが一番良い。西洋人もたぶん同じ理由で、神に感謝しておけば間違いないんだろう。

　なによりも大統領とかお偉いさんがかなり頻繁にガッド、ガッドと連呼してるじゃん。あいつら、何か失言したらマズいのでいつも慎重に言葉を選んでるんだろうよ。選んだ結果、いろいろ言えなくてとりあえず神なんだろうなって思ったわ。別にそんな常時神のことばかり考えてるんじゃなくて、普通の人間なんだろうけどさ。あいつらの無難なコメントは神に感謝で決まりなんだと思ったわ。日本人が神に感謝とか言ったらろくでもない宗教だと思われるしな。だからとりあえず人に感謝な。でも人に感謝しておけばその人を好きになっちゃうよね。そして競技に興味がなくてもまた応援しちゃうよね。強いかどうかはわからないけどいい人だから金メダルだよね。そういうこと。