農林水産省と土地改良事業、林野庁と林業土木、旧建設省と建設業保証、郵政省と特定郵便局長会、自民党と医師会など、政治家と官僚の利権と天下り、馴れ合いについて実名入りで紹介している。
1999年12月から2002年5月まで東京新聞に連載されたものの加筆・修正版だが、プロローグには歯科医師連盟の政治献金事件のあらましも記載している。
いずれの記事も難解で読みにくい。これは文章のことではなくて、献金やパーティ券、寄付などを、いろいろな団体の人々がいろいろな迂回方法で行っているため、個人や団体の固有名詞が多すぎるためである。
すなわち複雑怪奇な利権構造を明らかにしている本である。
ひどい世界だなと感じると同時に、2005年の衆議院選挙では「族議員」の落選が多かったのは、日本にとっては良いことなのかもしれないと思った。
なお、上述のように固有名詞が多いので、本への書き込みを厭わない人は、初出の固有名詞に丸をつけて読むと読みやすくなりますよ。

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破綻国家の内幕 公共事業、票とカネ、天下り 利権の構造 (角川文庫) 文庫 – 2005/4/23
東京新聞取材班
(著)
日本を蝕む巨悪を暴く!
政・官・業界による利権構造は、納税者が納めた税金を自分たちの利益にすり替える、「税金横領システム」である。特定郵便局事件、日本医師会と自民党の癒着などに見られる利権構造を丹念な取材で白日のもとに曝す
政・官・業界による利権構造は、納税者が納めた税金を自分たちの利益にすり替える、「税金横領システム」である。特定郵便局事件、日本医師会と自民党の癒着などに見られる利権構造を丹念な取材で白日のもとに曝す
- 本の長さ364ページ
- 言語日本語
- 出版社角川書店
- 発売日2005/4/23
- ISBN-104043789017
- ISBN-13978-4043789016
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2003年4月19日に日本でレビュー済み
本書に取り上げられている内容は、土地改良、林業土木、特定郵便局長会、医師会、高速道路等。出版段階(咋年9月)では、あるいは別にこの特集が東京新聞に掲載されていた時期であってもそうだが、すでに社会問題化して世論の批判を浴び、ものによっては警察・検察の摘発が進んでいる時期に、いわば後追い的になされた特集。本書は、これらの全体的な流れをレビューしつつ、これにまつわって国会議員の集票構造と公務員の天下りがあるという事実を摘示する。政府を巡るさまざまな問題に多少なりとも問題意識を持っている人間が、その背景にあるより複雑な仕組みの問題点を論じているときに、東京新聞から同時に発せられた、読者の僻みを煽るにとどまる「アイツラハコンナニウマイ目ヲミテイル」というメッセージ。以上。
そのような利権構造への問題意識に乏しい読者の問題意識を喚起するといえばカッコいいが、実際は人間の僻み羨みといった卑しい精神に訴えかけるルポルタージュ。そんな僻み根性こそが、例えば都会への田舎からの羨望を駆り立て、そして利権政治家への票につながっているかもしれないのに、この本では、利権政治家の票はどこからか湧いてくるもののように描かれ、その票を投じている有権者(=新聞の読者)の行動様式は一切視野の外にある。この本で書かれているのは、ひたすら政治家と行政官。では天下りがなくなれば、選挙の仕組みが変わればこんな腐敗はなくなるのか。天下りさえなくなれば、政府が予算の大盤振る舞いを続ける構造は問題じゃないのか。そういう検証抜きに、誰か自分たち以外に悪者がいてそいつらをつるし上げればすべて解決といわんばかりのレポートを垂れ流している東京新聞。
この本より5年も前に出版された猪瀬直樹の「日本国の研究」と同工異曲のテーマを取り上げながら、結局単に読者の感情におもねるルポを、数多の記者を動員して書いた二番煎じ。私はこういう言論は嫌いだ。
そのような利権構造への問題意識に乏しい読者の問題意識を喚起するといえばカッコいいが、実際は人間の僻み羨みといった卑しい精神に訴えかけるルポルタージュ。そんな僻み根性こそが、例えば都会への田舎からの羨望を駆り立て、そして利権政治家への票につながっているかもしれないのに、この本では、利権政治家の票はどこからか湧いてくるもののように描かれ、その票を投じている有権者(=新聞の読者)の行動様式は一切視野の外にある。この本で書かれているのは、ひたすら政治家と行政官。では天下りがなくなれば、選挙の仕組みが変わればこんな腐敗はなくなるのか。天下りさえなくなれば、政府が予算の大盤振る舞いを続ける構造は問題じゃないのか。そういう検証抜きに、誰か自分たち以外に悪者がいてそいつらをつるし上げればすべて解決といわんばかりのレポートを垂れ流している東京新聞。
この本より5年も前に出版された猪瀬直樹の「日本国の研究」と同工異曲のテーマを取り上げながら、結局単に読者の感情におもねるルポを、数多の記者を動員して書いた二番煎じ。私はこういう言論は嫌いだ。
2006年1月2日に日本でレビュー済み
東京新聞の記者たちの地道な取材の集大成である。農水省、旧建設省をはじめとした公共事業官庁と与党自民党と利権に群がる人たちの関係などを中心に政治・行政のデタラメぶりを暴いているのだが、話半分にと思いつつ、なかなか興味深い。